在宅医療と介護のデジタル変革を推進する株式会社ゼストの資金調達

在宅医療と介護のデジタルシフトを見据えた株式会社ゼストの挑戦

在宅医療及び介護分野のDX（デジタルトランスフォーメーション）を推進する株式会社ゼストは、エムスリー株式会社から1億円の資金を調達したことを発表しました。これにより同社の累計資金調達額は16億円に達しました。この出資は、在宅医療・介護の収益改善プラットフォーム「ZEST」を展開する挑戦の一環であり、マルチな機能を有するプラットフォームのさらなる強化を目指しています。

資金調達の意義と目的

今回調達された資金は、ZESTの新たな機能開発、特にAIによる訪問スケジュールの自動生成機能を高度化するために使用されます。また、他社のツールとの連携を進め、業務の効率化を図るための優秀な人材の採用にも充てられます。これによって、在宅医療と介護の現場における効率化と収益最大化を強力に支援することが期待されています。

エムスリー株式会社の評価と期待

エムスリー株式会社のCVCチームリーダーである近藤一行氏は、「ZEST」のテクノロジーと経営チームの素晴らしさを評価し、在宅医療・介護の現場が抱える人手不足という社会課題の解決に向けて、協力して取り組む意向を示しました。彼は、在宅医療と介護の両業界での取り組みを強化することで、ゼストのミッションである「護りたい。その想いを護る。」を実現すると述べています。

業界の課題とゼストの提案

在宅医療・介護業界では、現場の電子カルテやレセプト請求システムの導入が進んでいる一方、スケジュール管理において「紙」や「Excel」を用いる二重管理が一般的です。これに伴い、手作業でのデータ入力や転記といった非効率な作業が発生し、業務効率が低下する事態が起こっています。これらの課題を解決するために、ゼストはツール同士のデータ連携を促進し、業務のDX化を図ることを目指しています。具体的には、株式会社エス・エム・エスの「カイポケ」や株式会社ワイズマンの「ワイズマンシステムSP」などとの連携を通じて、それぞれのツールの強みを最大限に活かすシステムを構築していくことになります。

ツール連携の多様性

「ZEST」は今後、チャットツールやカレンダーツール、勤怠管理システムなど、在宅医療・介護業界で使用される多様なツールとの連携増強を計画しています。これにより、訪問スケジュール作成のみならず、業務全体の効率化を進め、各事業所の収益改善を支援する狙いがあります。既存の連携パートナーとの協力を通じて、訪問看護事業者への利便性向上にも尽力しています。

収益最大化を目指す「ZEST」の機能

「ZEST」は、訪問スケジュール作成から導き出されるデータを活用することで、事業所の稼働率の向上、職場環境の改善、営業効率の最大化を図ります。これにより、在宅医療・介護事業が抱える課題を解決し、利用者に質の高いケアを提供できる環境を整えていくことが期待されています。もちろん、ISMSや医療ISACなどの認証を取得しているため、安全性にも配慮されています。