世田谷に新たなユニバーサル農園「夢育て農園ちとから」が誕生
2026年3月1日、東京・世田谷に新たに「夢育て農園ちとから」が開園します。この農園は、知的・発達障がい者が生涯にわたり学び続ける環境を整えることを目的としたユニバーサル農園です。運営は、NPO法人ユメソダテと株式会社夢育てにより行われ、地域の人々と共に成長できる場所として期待されています。
「夢育て農園ちとから」について
「夢育て農園」は、成人した知的障がい者が成長を感じられることを科学的に示す全国でも珍しい試みです。初めての開園は2022年10月に世田谷区桜丘で行われましたが、今回、千歳烏山に移転し、面積を約360㎡に拡大することで、より多くの方々を受け入れられるようになります。
この農園では、誰でも参加できるオープン・デイやさまざまなイベントを通じて、知的障がい者とその家族、地域住民が交流しながら共に学び合う機会がご用意されています。「人を育てる」をテーマに、すべての世代が楽しみながら農業に取り組むことができる環境が整えられています。
都市の中での生涯学習の場
特別支援学校を卒業した知的障がいのある方々は、一般的に就労継続支援事業所や生活介護事業所に通うケースが多く、その後の学びの機会が限られていることが、しばしば「18歳の壁」と呼ばれています。しかし、最新の研究では年齢を重ねても脳は成長し続ける可能性があることが示されています。「夢育て農園ちとから」は、そうした知見を基にして、障がい者の生涯学習支援に取り組んでいます。
2026年には法定障害者雇用率の引き上げが見込まれ、企業にとっても障がい者を受け入れる環境の構築が求められています。このような社会的背景の中で、「夢育て農園ちとから」がどのように貢献できるのか、多くの期待が寄せられています。
ユメソダテの取り組みと実績
ユメソダテは、知的障がい者のための生涯学習支援に特化し、地域と連携して多様な学びの機会を提供しています。「夢育て1.0」と名付けられた中心プログラムでは、体操を通じての身体感覚の向上、座学を通じての認知能力の育成、そして「夢語り」としての自己表現などが組み合わさっています。
さらに、地域住民の協力のもと、知的障がい者の学びを支えるネットワークを形成し、活動の成果は学会で発表されています。以前には、農林水産省をはじめとした複数の省庁から表彰を受け、注目されるプロジェクトとして成長しています。
今後の展望
「夢育て農園ちとから」の開園を通じて、ユメソダテは地域のサポートを受けながら、インクルーシブな環境をさらに拡充させていく方針です。年間30~50人の受け入れを目指し、知的障がい者だけでなく、発達・精神障がいがある方、高齢者や子どもたちも対象にした学びの機会を増やしていきます。
将来的には「認知の学校」としての発展も見据え、1,000人規模の指導者を育成し、地域に根差した持続可能な学びのモデルを確立することを目指しています。この農園が、知識と経験を通じた成長の場となることを期待しています。
メッセージ
最後に、NPO法人ユメソダテの代表・前川哲弥氏は、「夢育て農園ちとから」が、知的障がいの有無にかかわらず、地域と共に成長しあえる真のユニバーサルな農園として育っていくことを願っています。これからも多様な人々が集まり、共に学び、成長していく場として定着することを目指しています。