利島村村営住宅プロジェクトの背景
東京都伊豆諸島に位置する利島村において、持続可能な無駄のない住環境の実現を目指した村営住宅が建設されました。利島は課題が多い地域であり、特に建材の調達や住宅更新が困難な状況にありました。これが、東京都による新しい村営集合住宅建設プロジェクトが始まった背景です。
CLT工法の導入
このプロジェクトにおいて、カスヤアーキテクツオフィスが提案したCLT(直交集成板)工法が採用されました。特に、CLT工法は工場でプレカットされたパネルを現場で組み立てるため、利島のように職人が少ない環境でも施工精度を保ちやすくなっています。実際、CLTは堅牢な木材の特性を活かしながら、離島特有の厳しい気候条件にも耐えられる耐風性を備えています。
CLTの特性とその活用
CLTの大きな利点は、強度と美しい木肌によって、家の内装に優れた温かみを与えられる点です。構造体が現しにされることで、木の持つ自然な風合いが室内に広がり、居住空間としての魅力を倍増させます。これに加え、CLTを利用することで施工工程を効率化できるため、時間コストの縮減が可能となりました。
施工コーディネートの流れ
森未来はクライアントの要望を実現するため、さまざまな工程を一括でプランニングしました。具体的には、設計から材料の輸送、施工に至るまでの全体を管理することで、スムーズなプロジェクト進行を実現しています。特に、資材を本州の辰巳港から利島村まで輸送する際は、工程管理に細心の注意を払い、利島特有の環境を考慮に入れながら臨機応変な対応を行いました。
水循環システムの導入
利島村では水資源が限られているため、生活排水の再利用や水循環システムの構築が必要とされました。本物件では、小規模分散型水循環システムを導入し、生活排水の99%近くを再生利用できる仕組みを整えています。これにより、持続的な生活環境が実現され、村民にとって必要不可欠な居住環境が形成されています。
限られた資源との戦い
本プロジェクトは、施工職人や資材の不足といった多くの課題に直面しましたが、それらを乗り越えるために持続可能な建築手法を採用しました。設計から施工までのプロセスを見直すことで、利島村の特性を活かした最適な方法を模索し、他地域でも適用可能なモデルケースを創出することが出来ました。
関係者からの反響
利島村役場からは、この新たな集合住宅が作り出す居住環境への期待が寄せられています。「木の香りや温もりに包まれ、まさに住みたいと思わせる空間が実現された」という声が多く上がっているのです。また、設計担当のカスヤアーキテクツオフィスでも「施工精度を高められ、現実的な設計ができた」と高い評価を受けています。
未来に向けたビジョン
森未来は、「Sustainable Forest」を企業理念に掲げ、持続可能な木材利用の実現を目指しています。今回の利島村でのプロジェクトは、厳しい環境下でもCLT建築を実現できるという前例を作り出しました。これからも私たちは、日本各地で木材を活用するための新しい流通システムを構築していく所存です。地域のニーズに合った持続可能な発展を通じて、未来に向けた新たな挑戦を続けていきます。
プロジェクト概要と今後のイベント
利島村村営住宅のプロジェクトは2026年3月に竣工が予定されています。このプロジェクトの完成報告会も開催されますので、興味のある方はぜひ参加してみてください!