女性社員のキャリア意欲|調査結果から見る新しい働き方の提案
株式会社リンクォードが実施した女性社員1万人を対象としたアンケート調査は、女性活躍とDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の実現に向けた重要な示唆を提供しています。この調査では、年齢、職種、学歴、家族構成、地域によって異なる女性のキャリアに対する意向が浮き彫りになりました。
調査概要
本調査は2025年2月に行われ、正社員として働く25~49歳の女性を対象にしたものです。有効回答数は11,300件に上り、インターネットを通じて行われました。
管理職意向の差異
調査結果によると、女性社員全体の中で管理職を希望する層は少数派であることが明らかになりました。特に、年齢や職種、学歴によって管理職を目指す意向に差が見られます。たとえば、20代の女性の方が30代や40代に比べて管理職を希望する傾向が強いことが示されており、年齢と共にその意欲が低下していくことがわかります。また、理系院卒の女性は管理職志向が高いことも注目すべきポイントです。
管理職を目指すための条件
多くの女性が管理職を志望する際に必要であると感じている要素は、意外にも「能力開発」というよりも「長時間労働の是正」という声が多く寄せられています。実際、管理職になりたくない理由として、プライベートを重視したいとの意見が大多数を占めていたのです。これは、長時間労働が女性社員のキャリア成長を妨げている要因の一つとなっていることを示唆しています。
管理職を志向しないと回答した8,511人の中で、能力的な問題よりも長時間労働への懸念が高いことがわかっており、この点に企業が注力することで管理職を目指したいという意欲を持つ女性が増える可能性があると考えられます。
働き方改革の必要性
企業は働き方改革を進める必要がありますが、その際に注意すべきは「経営層も含めた組織マネジメント」に関する問題です。多くの社員が、経営層や幹部層が関与する意思決定プロセスに疑問を持っており、これが長時間労働を引き起こしているという認識が広がっています。
「この会議は本当に必要なのか?」や「なぜ権限をもっと移譲しないのか?」といった声が多く、その結果、管理職になることへの抵抗感が生まれているのです。このようなマネジメントが続く限り、女性の管理職登用は進まないと考えられます。
「足し算」から「引き算」へ
本調査からの重要な結論は、女性活躍推進における「女性への足し算」から「組織からの引き算」が必要だということです。すなわち、企業文化を刷新し、マイノリティ層にもフィットする新たな企業文化の形成が求められています。これは、理性や感情を理解したマネジメントチームによる意識改革が不可欠です。
まとめ
多様性を受け入れるためには、企業文化の変革が必要であり、これにより外国人、障がい者、高齢者など多様なマイノリティ層が活躍できる場が提供されることが期待されます。今後、日本企業において「多様性の掛け算」が進むことで全員活躍の時代が到来することを待ち望みたいです。
本調査に関する詳細については、株式会社リンクォードまでお気軽にお問い合わせください。