離婚時の住宅ローン問題に関する実態調査から見えたトラブルの実態と改善策

最近、離婚と住宅ローンにまつわるさまざまなトラブルが報じられる中、インプルーブメント株式会社が実施した調査に基づく実態が浮き彫りになりました。本稿では、調査結果から見えた現状とともに、今後の対応策について考察していきます。

調査の背景

結婚生活の延長線上で住宅ローンを組み、共働き世帯が増加した現代社会では、夫婦の間でペアローンや連帯債務型の住宅ローンが増えてきています。しかし、離婚に際しては「住居の引き渡し」や「ローン名義の変更」が大きな問題となり、深刻なトラブルに発展しているケースが少なくありません。そこで、関係者202名を対象にした今回の調査は、こうした現実を明らかにし、問題解決の一助となることを目的としています。

主な調査結果

調査の結果、特に目を引く点は以下の通りです。

1. 離婚後の住宅の扱い
離婚後、48％の人が「どちらかが住み続ける」選択をし、その一方で「家を売却したがローンが残っている」といったトラブルも多く見受けられました。さらに、「未定」という回答もあり、住宅ローンの問題は非常に複雑であることが示されています。

2. トラブルへの直面状況
約35％の人が何らかのトラブルを経験しました。具体的には、「売却したいが残債が多く、売れない」「名義変更が不可能」など、ペアローンや連帯債務の方に特有の問題が浮かび上がりました。

3. 相談先の実態
トラブル解決に向けた相談先としては、「家族・友人」が29.2％でトップを占めていますが、専門家への相談はわずか7％にとどまりました。これは、高度に専門的な知識を要する問題を、適切に扱えていない実態を示しています。

4. 任意売却に関する認知度
調査では、任意売却の方法を詳しく知っていたのはわずか12％。約39.6％が「全く知らない」と回答しており、任意売却の認知度が低かったことが指摘されました。これが問題解決を遅らせる一因となっています。