再春館製薬所の吉田大作社員が文部科学大臣賞を受賞！革新的な技術改善の成果とは

再春館製薬所の吉田大作社員が文部科学大臣賞を受賞！

株式会社再春館製薬所（熊本県上益城郡益城町）の社員、吉田大作氏が「令和7年度科学技術分野の文部科学大臣表彰創意工夫功労者賞」を受賞しました。この栄誉ある賞は、技術の改善向上に寄与した個人を表彰するもので、全国から450人が選ばれた中で、熊本県からは5名がその栄光を手にしました。表彰式は熊本県庁で行われ、吉田氏もこの名誉を受けました。

受賞の背景

再春館製薬所は、基礎化粧品「ドモホルンリンクル」をはじめ、多彩な製品を製造し、その開発から製品販売までを自社で一貫して行っています。特に、安心・安全な製品を提供するために、手術室レベルのクリーンな製造環境と厳格な品質管理体制を整えています。その中で、熟練した作業員による確認作業も大切な工程とされています。

吉田氏が受賞した創意工夫は、製品の充填作業の革新によって生まれたもので、特にシートマスク型の製品「肌養生」において課題だった「充填ノズル先端の液だれ」を改善しました。これにより、生産効率が大幅に向上し、年間80時間の労働時間削減を実現しました。

従来の問題点

肌養生（フェイスマスク）は、高粘度の美容液をパウチに充填して作る製品ですが、従来の充填工程ではノズルから液体が垂れる「液だれ」が頻発していました。この現象は、パウチの接着部分に液体が付着し、不良品の発生や生産効率の低下につながるため、製造現場では長年の課題とされていました。

吉田氏の創意工夫

吉田氏は、この問題を解決するために「シャット弁ノズル」という特殊なノズルを採用しました。このノズルは、充填機構の再設定と見直しを行うことで、液だれを防止し、さらなる生産性の向上を可能にしました。具体的には、充填速度を「30ショット/分」から「45ショット/分」に引き上げることに成功しました。これにより、生産の安定性と効率化が実現しました。