第30回『野生生物と社会』学会大会に向けての取り組み
2025年12月19日から21日の期間、早稲田大学国際会議場にて第30回「野生生物と社会」学会大会が開催されます。この大会は、野生動物と人間社会との関係性に関する多様な研究や実践知見を共有する場として、日本およびアジア・アフリカの保護活動の成果が発表される重要なイベントです。村や地域で野生動物と接する方々にぜひ参加していただきたい内容が盛りだくさんです。
特に注目すべきは、Wildlife Venturesの代表、赤石旺之が「海外の野生動物問題へのアプローチ」というテーマセッションにて登壇することです。彼は、ケニア・マサイマラでの実践経験を踏まえた講演を行い、アフリカの地域住民と野生動物との共存に向けた取り組みを紹介します。
テーマセッションの概要
このセッションでは、日本の野生動物管理のアプローチがアフリカの野生動物問題にどのように適用され得るかを議論します。日本が経験してきた獣害問題やその対策手法が、人口増加や農地拡大による野生動物による被害が深刻なアフリカ地域にどのように役立つのか、赤石はその知見を発表します。
彼は、ケニア・マサイマラでの「人とゾウの軋轧緩和」を目的とした養蜂箱フェンス事業を中心に話を進めます。この事業は、農地の周囲に養蜂箱を配置し、ゾウの侵入を防ぐことを狙っています。ゾウがハチを避ける性質を利用したこの方法は、農作物を守るだけでなく、採れたハチミツの販売によって地域住民に収入をもたらすことも目指しています。
ケニアにおける人とゾウの軋轢
ケニアでは、農地の拡大と人口の増加により、アフリカゾウと地域住民との摩擦が悪化しています。この問題は、単なる経済的損失に留まらず、人身被害や違法なゾウの殺傷を引き起こす深刻さを持っています。このような中で、Wildlife Venturesの取り組みは新たな地平を拓く可能性があります。
現地との連携と今後の展望
赤石は、保護区や現地のNGOと協力し、養蜂箱の設置に向けた取り組みの進捗や成果を発表します。どのようにして成果を上げ、さらに課題に対処していくのか、日本とアフリカの共生モデルの構築に向けたアイデアが明らかにされることでしょう。
学会内での知見の共有
このセッションに参加することにより、アフリカでの実践を通じて得られた知見が、日本の研究者や実務家にも還元されることを期待しています。また、日本の野生動物管理の知識がどのようにアフリカ現場で活かせるか、双方向の学びの機会としても非常に意義のある場です。
参加・取材について
第30回「野生生物と社会」学会大会の詳細な情報や参加方法については、公式ウェブサイトで確認できます。メディア関係者や関心のある方は、ぜひセッションを訪れて、新しい知見を一緒に共有しましょう。
イベントの基本情報
- - イベント名: 第30回「野生生物と社会」学会大会
- - 会場: 早稲田大学 国際会議場
- - 講演日時: 2025年12月21日(日)11:15〜12:45
- - セッション名: 「海外の野生動物問題へのアプローチ」
このセッションは、持続可能な共生に向けた新しいアプローチを模索する場となります。ぜひ、ご注目ください。