最新調査結果に基づく企業のIT人材採用の現状
パーソルホールディングス株式会社とパーソルイノベーション株式会社の“lotsful”は、ITデジタル領域でのフリーランスや副業人材受け入れに関する最新調査を実施しました。調査は、2,000名以上の企業の経営者や人事、IT関連職の社員を対象に行われ、IT人材に対する企業の関心や活用状況が明らかになりました。
調査の概要と目的
この調査は、フリーランスや副業人材の採用状況を調査し、企業がどのように人材を活用しているか、またその成果や課題を探ることを目的としています。実施期間は2025年1月10日から17日までで、結果を元に企業のデジタル化を進める上での重要なインサイトが得られました。
IT人材不足の現状
調査によると、企業が最も不足が感じられるIT人材の職種は「データサイエンティスト・アナリスト」で、これが22.3%という結果。在籍する企業のIT部門での人材不足は深刻で、多くの企業がこの職種の確保に苦心していることが分かります。次いで「プロジェクトマネージャー」「エンジニア」が上位にランクインしました。
業務委託活用の現状
さらに、47.4%の企業がITデジタル領域での業務委託を利用していることが確認できました。具体的には、33.2%の企業が「現行で活用中」であり、過去に導入経験がある企業を含めると、全体の59.6%が何らかの形で業務委託に関心を持つと答えています。
一方で「今後活用する予定がない」と回答した企業の多くが「正社員採用の優先度が高い」と広言しており、フリーランス人材の活用に踏み込めない企業も少なからず存在しているのです。
デジタルマーケティングにおける業務委託
業務委託の内容に関しては、約37.3%の企業が「広告・SEO・SNS運用」と回答し、デジタルマーケティング業務が最も多くを占めていることが示されました。加えて「コンテンツマーケティング」や「サイト改善」が続き、企業の業務オペレーションにおいても専門知識が求められる分野での外部人材活用が重要視されています。
成果を実感する企業の多さ
業務委託人材との取り組みで86.7%の企業が「成果を出した」と回答しており、その内訳では「期待通りの成果が出た」との回答が41%、期待以上の結果が出た企業も16%に達しました。デジタルマーケティングなど、専門知識をもつ人材の確保が重要であることが見て取れます。
企業規模別の分析
調査結果を企業規模別に解析すると、大企業においては「業務効率化が進んだ」と回答した企業が23.1%で最多。中小企業では、一時的な人材不足の解消が優先されることが目立ちました。一方でスタートアップは、「優秀な転職潜在層と接点ができた」とのメリットを強調する企業が多く、新たな人材とのネットワーク形成の機会が提供されたことが強調されました。
課題と今後の展望
しかし、一方で「マネジメント工数がかかる」といった意見も多く654.2%の企業が同様の課題を抱えています。特に大企業ではセキュリティが重要視され、中小企業ではそれに加えマネジメント工数がネックになっています。これは業務委託の際にはコミュニケーションや指導が不可欠であることを示しています。
結論および今後の期待
今回の調査結果は、企業がITデジタル領域で副業やフリーランス人材を活用する際の積極的な姿勢が見え、今後もその傾向が続くと考えられます。パーソルの「lotsful」は、より多くの企業において副業人材の受け入れを支援し、それに伴う人材の活躍の場を拡大することに貢献していきたいと考えています。
ビジネスモデルが変わりつつある今、企業における多様な働き方の模索が続くことでしょう。この調査を通じて、企業のIT業務の未来を切り拓く一助となることを期待したいものです。