2025年度日本経営品質賞に輝いた組織の取り組みとその成果
2025年度の日本経営品質賞の受賞者が発表され、顧客価値の創造に向けた取り組みを進める優れた11の組織が評価されました。この賞は、国際的な競争力を高めることを目的として設立されたもので、今年でその歴史は30年を迎えます。これまでに受賞した組織は延べ57社に達し、各受賞団体の戦略や具体的な活動が際立っています。
日本経営品質賞の目的と意義
日本経営品質賞は、企業や組織が顧客にどのような価値を提供するかに重きを置き、顧客価値経営の普及を目指しています。近年、消費者のニーズは多様化しており、その変化に対応するためのイノベーションが求められています。この賞を通じて、企業が持続可能な経営を実現するためのヒントも提供されています。選出された受賞組織は、今後の経営モデルを示す重要な存在となりそうです。
2025年度の受賞組織の一覧
日本経営品質賞 大賞
- - 株式会社ワイズマート(大企業部門/食品スーパーマーケット/千葉県浦安市)
- - 社会福祉法人合掌苑(非営利組織部門/総合社会福祉業/東京都町田市)
日本経営品質賞 優秀賞
- - トヨタテクニカルディベロップメント株式会社(愛知県豊田市)
- - 福岡トヨタ自動車株式会社(福岡県福岡市)
- - KECグループ(奈良県生駒市)
- - ブリッジホテルグループ(大阪府大阪市)
日本経営品質賞 奨励賞
- - 株式会社アクア(中小企業部門/ビル清掃業/東京都新宿区)
経営デザイン実践賞(新設)
- - 須山建設グループ(静岡県浜松市)
- - ISEKADO((有)二軒茶屋餅角屋本店クラフトビール事業部/三重県伊勢市)
- - 株式会社ブレインマークス(東京都中央区)
- - 株式会社ローラン(栃木県宇都宮市)
ワイズマートの顧客価値経営
大賞を受賞したワイズマートは、「お客様の身近な冷蔵庫がわりでありたい」という理念のもと、小型スーパーとして成功している企業です。駅近・駅前を中心に39店舗を展開し、顧客にとっての利便性を追求しています。彼らは売上面積が業界の平均の約1/3しかない中で、店内加工の惣菜や生鮮品の提供を通じて高い付加価値を実現しています。
特に注目すべきは、経営者感覚を持った社員によるチーム経営です。各部門の責任者が自らの店舗の運営について裁量を持ち、「小さな経営者」としての意識を高めています。これによって店舗運営が活性化され、顧客満足度の向上にも寄与しています。また、社員の収益還元にも力を入れており、この取り組みが「物心両面の幸福」を実現しています。
合掌苑の地域貢献
もう一つの大賞受賞者、合掌苑は、地域における社会福祉活動の重要な拠点です。「困ったときは合掌苑」と称されるほど地域に信頼されており、その理念は「関わる全ての人を幸せにする」ことです。これに基づいて、介護・福祉のサービスを提供し続けています。
合掌苑は、働き方改革を進め、全員参加経営を実現。職員の幸せを実現するための取り組むが質の高いサービス提供へと結びついています。地域との密接な連携を通じて、持続可能な福祉社会を支える活動は、他の福祉機関のモデルとなるでしょう。彼らのミッションは、ただのビジネスではなく、地域での幸福を追求することにあります。
まとめ
2025年度の日本経営品質賞を受賞した組織は、顧客価値経営の重要性を体現しています。Wワイズマートと合掌苑はそれぞれ異なるアプローチで顧客や地域に貢献し続けており、今後の経営環境においてもその取り組みが多くの企業や団体にとって貴重なモデルとなることでしょう。顧客価値を重視した経営が成功を収める時代に、これからの取り組みがますます注目されます。