遠坂八重のデビュー作『ドールハウスの惨劇』が文庫化
2025年10月10日、遠坂八重のデビュー作『ドールハウスの惨劇』がついに文庫化されます。この作品は2022年に第25回ボイルドエッグズ新人賞を受賞したもので、鎌倉の高校を舞台にした、凄惨かつ鮮烈な青春ミステリーです。初版が発売されてからわずか1ヶ月で重版が決まるなど、その人気と話題性が証明されました。
著者の遠坂八重は、2018年に神奈川県で生まれ、現在は一般企業に勤務しながら執筆活動を続けています。彼女の作品は、既にホラー長編として話題の『廃集落のY家』や、人気の限界会社員ミステリー『死んだら永遠に休めます』など、多岐に渡ります。
魅力的なキャラクターたちと緊迫のストーリー
『ドールハウスの惨劇』は、主人公・滝蓮司と彼の幼なじみで変わり者の卯月麗一が学内の些細な問題を解決する「便利屋」として活動している姿から物語が始まります。彼らのもとに美少女・藤宮美耶が訪れ、「四葉のクローバーを探してほしい」と依頼します。このような軽やかな依頼が、やがて彼らを想像を超える惨劇へと導くことになるのです。
美耶の双子の妹・沙耶は、母親に過剰に管理される日々から解放されたいと願っています。このように、青春の煌めきと暗い闇を描く作品であるため、読者を引き込む力は非常に強いものがあります。
全国書店員からの高評価
デビュー作にも関わらず、多くの書店員から支持を受け、「エモい×エグい」と称賛されています。また、2023年に刊行された続編、『怪物のゆりかご』の文庫版も今年の12月に発刊予定で、引き続き注目が集まっています。
スペシャルコンテンツ
本書には、装画を中野カヲルが手がけ、デザインはアルビレオ、解説は若林踏が担当しています。これらのビジュアルや解説が、物語の世界観をさらに深めてくれることでしょう。
読むべき理由
『ドールハウスの惨劇』はただのミステリーではなく、青春という繊細なテーマを深く掘り下げ、登場人物の成長や苦悩を描いています。サスペンスの中には、友情や家族、愛といった普遍的な問題も織り込まれており、物語が進むごとにその緊張感が増していくのです。
この作品を通じて、遠坂八重は若い世代に向けて、心に響くメッセージを送ります。彼女の次回作にも期待が高まりますが、まずはこの『ドールハウスの惨劇』を手に取って、その魅力に触れてみてはいかがでしょうか。文庫版の価格は960円(税別)で、全440ページ、ISBNは9784396351526です。それでは、是非書店で見かけたら手に取ってみてください。