EY新日本がAIエージェントを活用した監査の新時代を切り拓く

AIエージェントによる監査の革新

EY新日本有限責任監査法人が新たに開発したAIエージェント「UTB (Understanding The Business) Research」が、監査業務に革命をもたらします。東京都千代田区に本社を置くEY新日本は、上場企業の監査において、これまで人の手によって行われていたリスクの識別作業をAIの力で迅速かつ正確に行えるようにしました。

AIがリスク情報を識別する仕組み

UTB Researchは、膨大な量の情報をもとに財務諸表に潜む虚偽表示のリスクを自動的に識別します。このシステムは、有価証券報告書や適時開示情報、経済レポートといったさまざまな資料を分析し、リスクが高い情報を数時間で特定します。これにより、従来であれば数日かかっていた作業が大幅に短縮され、監査業務の効率化が期待されています。

監査の質を高めるAIの活用

EY新日本では、単にAIを導入するだけでなく、会計士の豊富な経験と知見も組み合わせてAIに学習させています。このため、UTB Researchはビジネスの複雑性や主観性、変化、不確実性という観点からリスクを識別し、その結果を明確にレポートに反映します。会計士は、出力されたリスク情報を分析し、それが財務諸表の虚偽表示リスクとなるかどうかを判断し、監査計画に保管させることができます。

新たな監査システムの導入

今月からUTB Researchは、約700社の上場企業の監査で利用可能になりました。これにより、情報分析の効率化だけでなく、監査の質を向上させる手段としても期待されています。AIエージェントの導入は、監査のデジタル化を進める重要な一歩となり、AIによる稟議書や契約書の分析、監査調書のデータ分析が進められる予定です。

EY新日本のビジョン

EY新日本は、クライアントの未来を形づくるために新たな価値を創出し、資本市場における信頼を築くことを目指しています。AIやデータ、先進的なテクノロジーの活用を通じて、社会に貢献し、より良い未来を作るためのソリューションを提供しています。アシュアランス、コンサルティング、税務、ストラテジー、トランザクションなど多岐にわたる分野でサービスを展開しており、150以上の国と地域で顧客に支援を行っています。