岡山大学でのパラスポーツ体験授業
2025年10月17日、岡山大学附属小学校にて実施された意義深いパラスポーツの出前授業についてご紹介します。この授業は、パラアスリートによる車いすバスケットボールの体験を通して、児童たちに共生社会への認識を深めさせることを目的としました。
パラスポーツ体験授業の背景
岡山大学は、地域中核・特色ある研究大学としての役割を果たしています。今回は、学校内でのパラスポーツの普及を図るため、特別にパラスポーツ体験キットが寄贈され、その利用が実現しました。授業の講師を務めた根木慎志氏は、岡山出身のパラアスリートであり、2000年シドニーパラリンピックに日本代表として参加したキャプテンでもあります。
授業の進行
児童たちはこの日、根木氏からの熱心な指導を受けながら、車いすバスケットボールを体験しました。授業が始まると、氏は児童を引き込む軽快なトークで場を盛り上げ、実演も交えて技術を示しました。彼が鮮やかなスリーポイントシュートを決めると、児童たちは大歓声を上げ、興奮が体育館に広がりました。
その後、児童たちは実際に車いすに乗り込み、5対5の試合形式での体験に挑戦。運転に戸惑う場面もありましたが、根木氏の的確なアドバイスが次第に自信へと繋がっていきました。「車いすは腕を回して漕ぐんだよ」や「ぶつかることを恐れないで!」といった言葉に、子どもたちの眼差しは真剣そのものでした。
車いすバスケットボールの魅力
実際に体験する中で、児童たちはドリブルの代わりにボールを膝に乗せて進む難しさや、ターン時の遠心力、シュートに必要なパワーを体感しました。特に、ボールを保持したまま車いすを操作し、パスやシュートへと連携する動きは、想像以上に難易度が高く、「まっすぐ進むだけでも大変!」、「プロの選手は本当にすごい!」といった感想が飛び交いました。
さらに、チームメイト同士が密に連携しながらボールを追いかける姿には勇気が必要で、外からの声援も自然と生まれました。「頑張れ!」「ナイスパス!」という言葉が体育館全体の熱気を引き立て、児童たちの心を一つにしました。
体験を通じての気づき
この出前授業を通じて、児童たちは単にスポーツの楽しさや迫力を体験しただけでなく、障がい者と健常者が共に楽しむことができるスポーツの可能性についても感じることができたようです。また、「チャレンジする気持ち」や「仲間を思いやる心」の重要性についても深く考えるきっかけとなりました。
未来への期待
岡山大学とその附属校の取り組みは、今後も地域社会において重要な役割を果たしていくことでしょう。パラスポーツのような新たな体験を通じて、子どもたちが思いやりの心を持ち、共に生きる社会を築いていく姿を期待したいものです。更なる活動に注目し、共に成長していく楽しい未来を迎えられることを願っています。