2025年調査によるシニア女性と孫との関係の実態
2025年に実施された「シニア女性と孫の関係に関する意識と実態調査」では、55歳から87歳の女子259名を対象に、孫とのコミュニケーション状況やお金の使い方が調査されました。この調査の結果から、シニア世代と孫との関係における新しい傾向が浮かび上がっています。
孫とのコミュニケーション
調査では、2023年との比較が行われ、孫との接触頻度は、「直接会う」を除いた方法では減少傾向にあることが示されました。具体的には、電話やLINE、メール等のデジタルコミュニケーションの頻度が減少しており、将来的に、孫とのコミュニケーションを「増やしたい」と考えているシニア女性は40.9%に留まっています。これは、孫との関わる時間は減少している一方で、接触の質や方法が変わってきていることを示唆しています。
主なコミュニケーション内容
特に親抜きで孫と行っていることの上位には「おしゃべり」「食事」「テレビ鑑賞」「公園で遊ぶ」などがあり、多世代交流の重要性が浮かび上がります。また、女の孫とは「ショッピング」も多く、「子抜き時間」を楽しむ姿が伺えます。特に、未就学児の孫との時間は「おもちゃで遊ぶ」や「絵本を読む」等が好まれており、一方の小学生以上の孫とは一緒にゲームをする傾向が強いことが分かりました。
孫にかけるお金の傾向
年間の孫への支出金額は平均して約18万円で、2023年に比べて3.7万円増加していることが明らかになりました。この支出の内容としては、「現金をお小遣いとして渡す」、「食事代」、「物品の購入」が上位を占めています。特に、孫が成長するに従い教育費や貯金への支出が顕著になってきており、未来への投資としての側面が感じられます。
また、孫への教えたい内容としては、「礼儀やマナー」「社会のルール」「生活の知恵・豆知識」が挙げられており、祖母世代は自分の経験を次の世代に伝えることに強い責任感を持っていると考えられます。
大阪・関西万博と孫との関わり
2025年に開催される大阪・関西万博に関しては、「孫と行きたい」との回答が12.4%に留まり、多くは自身の興味を欠いていることが主な理由とされています。また、「混雑が予想される」「孫が幼い」「疲れそう」との懸念も多く聞かれており、イベントへの参加意欲が薄まっている実情も明らかになりました。
専門家からの考察
ハルメク 生きかた上手研究所所長の梅津順江氏は、「接触から投資へ」という新たな動きが見え始めていると指摘しています。このように、少子化の中で増加する祖母たちの消費行動が如何に子供の未来に影響を与えるか、今後の研究が待たれるところです。
まとめ
孫との関係は、単に時間を共にするだけでなく、教育や認識の共有へと変化してきています。2025年の調査結果は、シニア女性と孫の新たな関係性やその実態を明らかにし、今後の関係構築における方向性が見えてくる内容でした。