激団リジョロの新作公演『わだち』『スィンダリ』が描く家族の歴史とは

激団リジョロ第39回公演『わだち』『쉰다리(スィンダリ)』

2025年9月3日から7日まで、阿佐ケ谷シアターシャインで行われる激団リジョロの第39回公演は、注目の新作と再上演の2本立てです。観客を魅了する舞台は、家族を通じて展開される歴史や未来を描いています。チケットは現在カンフェティにて販売中です。

公演の詳細

今回の公演は、創立28周年を迎えた激団リジョロによるもので、彼らの演技力と創造性が光る2作が披露されます。それぞれのストーリーは、観客に感動と考察を促す深いテーマを持っています。

『わだち』

1本目は、団長・金光仁三が書き下ろした新作『わだち』です。この作品は、2022年の関西演劇祭での受賞歴を持つ『Recall』の流れを受け継ぎつつ、家庭の温かみと歴史の重みを描いています。

物語は、戦争を生き抜いた一人の朝鮮人女性と、その後の彼女の娘たちの人生を中心に展開します。歳を重ねた長女が語り始めることで、過去の歴史が再び歩みを進め、家族の絆が明らかになります。過去と現在が交錯するこのストーリーは、家族の形を問い直す力強いメッセージを含んでいます。

『쉰다리(スィンダリ)』

2本目の『쉰다리(スィンダリ)』は、作家・金哲義による作品で、2023年に初演されたものの再上演です。この隠れた名作は、在日朝鮮人の家族が直面する葬儀を通じての葛藤を描いています。

物語は、父親の死によって引き起こされる家族の喧嘩を中心に展開し、葬儀の手配の中で兄弟たちがそれぞれの信念や文化の違いから対立します。笑いと感動が交錯するエピソードは、家族の絆と喪失感を描写し、観客に深い共鳴を呼び起こすことでしょう。