ヤマタネ、T.M.Lの株式取得で持続可能な農業の実現を目指す
株式会社ヤマタネは、2025年9月26日に開催される経営会議で株式会社T.M.Lの株式の一部取得を決定したことを、同日付けで発表しました。これにより、ヤマタネはT.M.Lの持つ先進的な調理技術を活用し、持続可能な農業へと貢献する新たな一歩を踏み出すこととなります。
ヤマタネの背景
ヤマタネは1924年に設立され、以来「安全」「安心」「良食味」のお米を提供するために全国各地の産地と強固な関係を築いてきました。「続く」を支えるというコーポレートメッセージのもと、全てのステークホルダーとの持続可能な社会の実現に取り組んでいます。今期より始まった中期経営計画「ヤマタネ2028プラン」は、食品分野における事業戦略としてバリューチェーンの拡大を目指し、川上(生産)への進出や新たな顧客開拓に力を入れています。
T.M.Lの革新的技術
一方、T.M.Lは、湿度100%の飽和水蒸気と熱を利用する「ソフトスチーマー」を開発・販売しています。この技術は、食材を均一に加熱し、その旨味を最大限に引き出すことを可能にします。1℃単位での温度制御も特徴的で、新たな調理方法としてホテルやレストランをはじめ、様々な業種での導入が進んでいます。
これまで廃棄されていた規格外の農産物に対し、ソフトスチーマーを利用することで加熱処理し、冷凍保存するという新しい視点での活用が期待されています。これにより、フードロスの削減や廃棄コストの低減が実現し、産地の課題解決にも寄与する見込みです。
株式取得の意義
今回は、ヤマタネがT.M.Lの株式1,007株を取得し、議決権の51%を保有することになります。この新たな協力関係により、ヤマタネはT.M.Lの技術を活用し、持続可能な農業と産地の発展に寄与することが可能になります。また、ヤマタネのグループ会社である㈱ショクカイと連携し、新商品の開発や販売にも取り組む予定です。
これにより、ヤマタネは自身のネットワークを活かしてソフトスチーマーとその加工品の流通拡大を目指します。
今後の展望
ヤマタネとT.M.Lの連携は、新しい調理技術の普及や持続可能な農業の実現への大きな一歩となります。今後も、両社の協働を通じて、より良い食文化の形成や地域活性化に寄与していくことが期待されています。これにより、2026年3月期の連結業績にも軽微ながらポジティブな影響が見込まれています。
この記事では、ヤマタネが進める新たな戦略や展開についてお伝えしました。今後の動向にもぜひ注目してみてください。