未来を見据えた農林水産業の成長戦略を考える交流会2025

農林水産業の未来を語る『みらい基金交流会2025』の開催

2025年5月27日、東京で「農林水産業みらい基金交流会2025」が開催され、参加者は107名が会場に集まり、さらにウェブ参加を含めると総勢218名が集まりました。この交流会は、一般社団法人農林水産業みらい基金（以下、「みらい基金」）が主催し、これまでの助成事業で得た知見と成果をお互いに共有することを目指しています。

開会の挨拶と2025年のテーマ

今回のテーマは「10年先を見据えた農林水産業の成長戦略」であり、農林水産業の持続可能な未来についての議論が行われました。

第一部は、みらい基金の代表理事である山口廣秀氏が登壇し、過去10年間の農林水産業の動向を振り返りました。山口氏は、「地域の創意工夫こそが、農林水産業の未来を切り拓く」と述べ、地域の取り組みの重要性を強調しました。その後、著名な経営学者である楠木建氏が「ストーリーとしての競争戦略」と題した講演を行い、長期的な利益の実現には、競争戦略を魅力的なストーリーとして形成することの重要性を話しました。

トークセッションと意見交換

続いて行われたトークセッションでは、山口氏、楠木氏、さらに農業法人「有限会社トップリバー」の嶋﨑田鶴子氏、アナウンサーの渡辺真理氏が登壇し、農林水産業の成長に必要なものについて熱い議論を交わしました。彼らは、自分たちの「戦略ストーリー」の重要性や、新しいテーマや課題の克服に向けた取り組みが必要であると訴えました。

特に嶋﨑氏は、「高齢化が進む農業の法人化推進と、それを支える柔軟な支援制度が今後ますます重要になる」と強調しました。さらに、米不足問題についても触れ、山口氏は「ただ需要と供給を市場に任せるだけでは限界がある」と述べ、行政の関与の重要性を訴えました。

交流と事業紹介

第二部では、みらい基金の助成先のリーダーたちが集まり、農・林・水の各分野を越えた意見交換が行われました。また、会場では17の助成先による事業紹介や交流コーナーも設けられ、AIやドローンを活用した先端技術や地域資源を利用した特産品の開発など、多彩な挑戦が展示されました。

当日は、50名を超える報道関係者が参加し、会場は熱気に包まれました。参加者は未来を見据えた持続可能な農林水産業への期待を新たにしたことでしょう。