2025年飲食店開業状況を探る！厳しい業界の変化と新たなトレンド

株式会社Reviewが発表した最新のレポートにより、2025年の飲食店開業状況の現実が明らかになりました。今年の初めの3か月間で全国各地における新規開業店舗の数が13,256件となり、前期から約2,700件の減少を記録しています。この減少の背景には、物価高や人材不足、消費行動の変化といった複合的な要因が影響しており、レポートでは業界全体が大きな転換期にあると指摘されています。

開業数減少の理由

2025年1月〜3月の飲食店開業数に関する調査では、東京都が1,828件で全国一位を占め、大阪府や福岡県などの他の主要都市も続きました。しかし、全体で見ると過去の開業数に比べて明らかに減少していることが浮き彫りになっています。特に、飲食業界が抱える課題として、以下の点が挙げられます：

- 物価高や人件費の高騰: 採算性の悪化が進んでおり、経営に影響を及ぼしています。
- 人手不足: 労働力の確保に苦労している店舗が増えています。
- 消費マインドの変化: 人々の支出傾向が変わり、従来のビジネスモデルが通用しなくなっています。
- 社会的な不透明感: 経済の見通しが立たない中、開業をためらう事業者も多く見受けられます。
- 制度対応の負担: 新たな規制や法律の影響を受ける店舗もあります。

飲食店のジャンル別開業動向

ジャンル別で見ると、開業数が増加した業態と減少した業態との差が鮮明になっています。飲み屋・居酒屋が736件で1位を維持していますが、宴会需要の低迷が影響し、前年よりも減少傾向にあります。バーやカフェも同様に、従来の人気業態ながら厳しい現状が続いています。一方で、専門料理店は384件と上昇し、特定ジャンルの需要が高まっています。特に、インバウンドの回復や本格志向が強くなってきたことが影響しており、消費者が求める質が変化していることが見受けられます。

開業ラッシュを牽引した都市

興味深いことに、大阪、福岡、広島の3都市では、春の観光シーズンに向けた需要の高まりを受けての開業件数が増加しました。大阪では208件、福岡で138件、広島で100件の開業増加が確認されました。これらの地域のセールスポイントとして、繁華街や観光名所を背景とした安定した外食需要が新規開店の後押しをしています。

新しい飲食の形を模索する時代

飲食業は今、数の拡大から質と持続性を重視する時代へ移行しています。これまでの主力ジャンルが物価や消費者のニーズの変化の影響を受けていることから、より専門的な業態や、顧客体験を重視する店舗が今後の主流となりそうです。テクノロジーの導入も進み、モバイルオーダーやAI接客などが普及することにより、省人化と顧客満足度の両立が期待されています。

今後の飲食業界においては、消費者の価値観を理解し、社会課題を解決しながら成長を目指す企業が求められていくでしょう。開業数の減少は逆風かもしれませんが、その先には新たな可能性が広がっています。これからの市場でどのように展開していくのか、その行方が大いに注目されます。