女性起業家への支援と防止策「たまむすびプロジェクト」
女性の起業家が活躍する現代社会において、深刻な問題となっているのがハラスメントです。株式会社SISTERSと非営利株式会社ピロウは、そんな現状を改善するために共同プロジェクト「たまむすびプロジェクト」を始動させました。このプロジェクトの目的、背景、サービス内容を詳しく紹介します。
女性起業家の性被害の実態
江連と東の調査(2025年)によると、日本の女性起業家の約70%がセクシャルハラスメントや性暴力を経験しています。さらに、80%が性差別的な発言を受けているという驚くべき数字が出ています。これらのデータは、起業支援の環境がいかに不安定であるかを浮き彫りにしています。加害者の多くは、同じ起業家や取引先、メンターなどで、予想以上に身近な存在からの影響が見受けられます。
一方で、非営利株式会社ピロウの調査では、アクセラレーションプログラムや各種イベントの約70%がハラスメント対策を全く行っていないことが明らかになりました。投資家だけでなく、起業支援全体に取り組む必要性が高まっています。
「たまむすびプロジェクト」の始まり
こうした背景を受けて、両社は実証実験を経て「たまむすびプロジェクト」を立ち上げることに決定しました。このプロジェクト名には、起業支援の分野で新しい未来を創るための「最初の結び目」という意味が込められています。変化が求められる今、誰もが一歩踏み出せるような支援を目指しています。
提供するサービス内容
「たまむすびプロジェクト」は、以下の三つのサービスを提供します。
1. ハラスメント研修
このプロジェクトでは、一般社団法人インパクトシフトの協力により、アクティブ・バイスタンダー研修を実施します。起業界はコミュニティ性が強いため、ハラスメントが発生しても見過ごされがちです。この研修では、ハラスメント現場に居合わせた人々が「傍観者」にとどまらず、行動を起こせるスキルを習得します。
2. ガイドラインの制作
研修だけでは不十分な場合もあります。プロジェクトでは、各種イベントに合わせたハラスメント防止のための行動規範やガイドラインを策定します。ヒアリングを通じて実態を把握し、適切な対策を講じます。
また、IMPACT SHIFT2025で実施したガイドラインの一部はオープンソースとして公開されており、誰でもアクセスが可能です。
3. 相談窓口の支援
相談を希望する方には、LINEまたはフォームを介しての相談が可能です。性暴力支援を受けた相談員や臨床心理士が、相談者の心理的安全性を確保しながら、適切に導いてくれます。
今後の取り組み
「たまむすびプロジェクト」に関連する政策提言も進められています。非営利株式会社ピロウは、ハラスメント対策が標準となるよう、各種調査研究を行い、行政に提案を行っていく予定です。
また、起業支援の場でのハラスメント対策は、スタートアップ業界に限らず、他の多様な分野でも重要なテーマとなります。まずは話を聞いてみたい方や、無償相談を希望する方はお気軽に連絡を。
結論
女性起業家が安心してビジネスに打ち込める社会を実現するために、「たまむすびプロジェクト」は、新たな一歩を踏み出すための強力なサポートを提供しています。この取り組みによって、多くの人が勇気を持って変化を求めることができるようになることを期待しています。