バーチャルスポーツフォーラム2025: eスポーツ新時代の幕開け
2025年3月26日、独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)が管理・運営するハイパフォーマンススポーツセンター(HPSC)にて「バーチャルスポーツフォーラム2025」が開催されました。本フォーラムには、国内外のeスポーツやバーチャルスポーツの関係者が集まり、これからの時代に向けた最新の情報交換が行われました。
大会の背景
2024年には、国際オリンピック委員会(IOC)の総会で「オリンピックEスポーツゲームズ」の創設が承認され、2027年にはサウジアラビアで初開催されることになっています。この大会は、フィジカルスポーツ、シミュレーションスポーツ、従来のeスポーツの3つのカテゴリーで構成される予定です。これらの新たな流れを背景に、本フォーラムは恒例のものとなり、国際的な連携を深める機会となりました。
フォーラムの内容
フォーラムには、IOCの委員やeスポーツ関連団体などから30以上の団体、110名以上が参加し、様々な視点からの知見が共有されました。
冒頭では、室伏広治スポーツ庁長官が開会の挨拶を行い、バーチャルスポーツが年齢や体力、障害の有無に関わらず誰もが参加できるスポーツ環境であることを強調しました。また、今後のeスポーツ選手の国際競技力向上に向けた取り組みについても触れました。
続いて、ワールドローイングのジャン=クリストフ・ロラン会長が、国際競技連盟や関係者が再集結できることの意義を語り、オリンピックEスポーツゲームズに向けた期待を示しました。
研究報告と基調講演
最初のセッションでは、JSCの坂田博史副主任研究員が、国内外でのバーチャルスポーツの最新動向について報告しました。続いて、IOCのスポーツディレクター、キット・マッコーネル氏がオンラインで挨拶を行い、オリンピックEスポーツゲームズがもたらす未来の可能性を示しました。
国内発の取り組み
さらに、日本eスポーツ連合(JeSU)の早川英樹会長が登壇し、国内でのeスポーツ大会や選手育成の取り組みについて紹介しました。特に、児童や高齢者、障害者を対象とした取り組みの事例が紹介され、eスポーツが多様な人々に開かれたものであることが強調されました。
具体的な事例紹介
第2部では、オリンピックEスポーツゲームズに関連する3つのカテゴリーでの先進事例が紹介されました。
フィジカルスポーツゲーム
ワールドローイングからは、バーチャルローイングが取り上げられ、具体的な取り組みや今後の展望が語られました。実際にリオ2016大会で銀メダルを獲得したジェシカ・エディ選手がバーチャルローイングのデモンストレーションを行い、参加者たちからの注目を集めました。
シミュレーションスポーツゲーム
世界野球ソフトボール連盟は、コナミとの連携による「eBASEBALL™ パワフルプロ野球」世界大会について説明しました。これにより、シミュレーションスポーツがどのように発展しているのかを示唆しました。
従来のeスポーツゲーム
最後に、株式会社カプコンからは「ストリートファイター6」の国際的な大会シーンについて発表され、従来のeスポーツの可能性が述べられました。
参加者の声
フォーラムを通じて、eスポーツやバーチャルスポーツが持つ無限の可能性が明らかとなり、国内外でのさらなる発展への期待が高まりました。参加者たちは、これからの展望や将来に向けた勇気を受け取ったと語っており、ここでのつながりが新たな発展のきっかけになることが期待されています。
今後の展望
フォーラムに出席した専門家たちは、今後もこの分野の動向を注視し、さまざまな知見や経験を共有していく意義について再認識しました。また、スポーツ庁やJSCの取り組みに期待が寄せられ、2026年の愛知・名古屋アジア競技大会及び2027年のオリンピックEスポーツゲームズに向けた準備が進められています。各地域での交流や国際競技力の向上に寄与することが期待されており、今後のさらなる進展が楽しみです。