エチオピア出身難民Rさん、昭和精工での新たな一歩
日本での就労に向けてサポートを受けてきたエチオピア出身の難民Rさん(37歳)が、精密プレス金型メーカーの昭和精工株式会社にて正社員として採用されました。これは、中小企業における難民人材の活躍を示す先進的な事例となります。
昭和精工株式会社は、横浜市に本社を置く企業で、精密金型の設計・製造、部品加工、自動化機器の開発を行っています。今回の採用は、WELgeeというNPO法人を通じたもので、Rさんは自身の専門スキルを活かせる環境を求めて昭和精工に応募しました。
Rさんは、母国エチオピアで地質学を専攻し、政府機関にて5年以上の地質調査と研究の経験を持っています。来日後は日本語の習得を目指しながら、サバイバルジョブに従事していました。2024年8月に昭和精工を見学し、技術的な親和性を感じたことから応募を決意しました。試用期間を経て、2025年3月に正社員として迎え入れられました。
彼の持ち前の真面目さ、前向きな業務態度、そして自主的な判断力が評価され、特に海外での経験に基づく英語でのコミュニケーション能力や、緊急時の対応能力が高く評価されています。現在は成形課に所属し、半導体基板の製造に関連する開発業務に取り組んでいます。
昭和精工株式会社の姿勢
昭和精工の担当者も、Rさんの採用について感謝の意を表しています。外国人材の採用には初めての試みもありましたが、Rさんの真面目な姿勢やチームでの協力が評価されているようです。担当者は「彼のように非常に熱心に取り組む姿を見ることが出来て嬉しい」と述べています。
実際、Rさんは未経験の職種に飛び込む勇気を持ち、自らの能力を発揮する機会を得ました。これまでは、彼を支えてきたレストランでの経験が、即座の対応力やコミュニケーションスキルに大きく寄与しています。
WELgeeの役割
このような道を歩むことができたのは、NPO法人WELgeeの支援があったからこそです。WELgeeは難民の方々が持つ才能や経験を活かし、企業での活躍を目指す取り組みを行っており、Rさんもその一環としてサポートを受けてきました。WELgeeのキャリアコーディネーター金城氏も、Rさんの成長を見守る中で、彼の頑張りや明るさに感心しています。
難民の再建支援の重要性
WELgeeは、難民の背景を強みに変えることを目指しています。彼らが持つ経験やスキルを活かし、社会に貢献できる場を提供することで、多様性を豊かな資産と捉えた社会への転換を促進しています。Rさんのケースは、そうした試みの一例に過ぎません。
このような成功事例が増えることで、企業が多様な人材を受け入れ、共に成長できる社会が実現されることが期待されます。