リトアニア現代オペラ『HAVE A GOOD DAY!』日本初演
2019年の第58回ヴェネチア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞した作品、リトアニアの女性アーティスト3人による現代オペラ『HAVE A GOOD DAY!』がついに日本で初演を迎えます。彼女たち、ヴァイヴァ・グライニテ、リナ・ラペリテ、ルギーレ・バルズジュカイテは、共にリトアニアのアートシーンを代表する才能です。このオペラは、労働、消費、そして人間存在の在り方を問い直すもので、世界各国の音楽・演劇・オペラフェスティバルで高く評価されてきました。
舞台の舞台裏
この作品の舞台は、現代の消費社会を象徴するスーパーマーケットです。劇中では、「こんにちは!」「ありがとう!」「良い一日を!」といった機械的な言葉を繰り返す10人の店員たちに焦点が当たり、観客は彼らの内面を覗くことになります。副題にある「10人のレジ係、スーパーマーケットの音、ピアノのためのオペラ」という表現からもわかるように、非常にミニマルな演出が特徴です。
消費の対象である商品は舞台に姿を見せませんが、蛍光灯の明滅やスキャンされる商品のブザー音など、聴覚的に観客の想像を掻き立てます。この演出は観客が自分自身の生活と重ね合わせる要素を持っており、現代社会の一側面を映し出しています。
アリアが描く現代の模様
オペラ内で歌われるアリアは、私たちの日常を反映した様々なキャラクターによって形作られています。不安を抱える「新人」、異国で家族と離れて働く「移民の母」、生活に追われる「シングルマザー」、そして自身の精神的問題を抱える「美術批評家」。これらのキャラクターはそれぞれのドラマを持ち寄り、織りなす物語を通じて、労働と消費がもたらす複雑さを観客に問いかけます。
また、警備員のピアノが静かに引き立てるモノローグは、それぞれの孤独を描写しつつ、最終的には合唱へと昇華されていきます。この合唱は、消費社会への皮肉やユーモアを含みながら、詩的な美しさへと進展し、観客を包み込みます。
著名アーティストの称賛
この作品に、世界的アーティストのジョナス・メカスも絶賛の声を寄せています。彼はこの作品を「小さな傑作」と表現し、余計なものを帯びないそのシンプルさや現実描写に感銘を受けたと述べています。
公演情報と参加方法
公演は9月25日(金)、26日(土)の二日間、サウスホールにて行われます。上演時間は約55分、リトアニア語で行われ、字幕は日本語と英語が用意されています。
- 9月25日(金)19:00開演
- 9月26日(土)14:00開演*託児あり
- 一般:6,000円(会員価格5,400円)、ユース(29歳以下):3,000円、18歳以下:1,000円
チケットはオンライン、各種カウンターで販売中。未就学児の入場はご遠慮ください。特にユースや18歳以下のチケット購入者は、年齢証明が必要です。演出の都合上、開演後の席案内が難しい場合もありますのでご注意ください。
お客様サポート
観劇サポートも充実しています。車椅子席の用意や多目的トイレ、託児サービスもあります。このような努力により、より多くの人々に現代オペラを楽しんでもらう環境が整えられています。
おわりに
リトアニアのアーティストたちが送る『HAVE A GOOD DAY!』は、きっと観る人々の心に強い印象を残すことでしょう。彼女たちの作品が持つ深いメッセージや美しさを、ぜひこの機会に体験してみてください。