不動産施策の変化を読み解く
三菱地所リアルエステートサービス株式会社は、企業の不動産施策に関する最新のアンケート調査を実施し、そこで得られた重要なデータを発表しました。この調査は、2025年度第3四半期に行われ、企業が抱える不動産に関する課題や施策の現状を浮き彫りにしています。
調査の概要
2025年12月4日から12月26日までの間、198名の企業担当者からインターネットで回答を得ました。調査の主な目的は、企業が不動産の管理や活用においてどのような施策を取っているのか、その動向を把握することにあります。
課題のトップは「老朽化対策」
調査結果によると、現在企業が直面している不動産課題の中で最も多かったのが「老朽化対策」です。前回の調査に引き続き、多くの企業が老朽化した物件をどのように扱うべきか頭を悩ませているようです。
次に多いのが「不動産コストの削減」であり、企業は投資効率を高める必要性を強く感じていることが分かります。これは、経済情勢の影響も反映しているのでしょう。
不動産売却の実施・検討状況
驚くべきことに、2025年度の調査では不動産の売却を実施または検討している企業の割合が、過去最高の33.7%に達しました。これは2022年の調査開始以来の数字であり、特に「遊休不動産の処分」が売却理由として最も多く挙げられています。また、「建物の老朽化」も売却に至る理由の一つに挙げられ、企業は資産のスリム化を進めています。
しかし、売却が進まない理由としては「社内での合意形成の難しさ」があり、これは今後の出口戦略においてボトルネックとなる可能性があります。
不動産購入の動向
一方で、不動産の購入を実施または検討している企業の割合は26.2%と安定しています。購入の目的としては「本業の収益補完」が高い支持を受けているほか、「新事業への参入」や「生産能力の拡大」といった事業の拡大を見据えた意向も見受けられます。
ただし、最近の不動産価格の高騰に伴い、費用対効果が合わないために購入を断念するケースも増えています。
オフィス移転の状況
オフィス移転に関しても興味深い結果が見られます。「出社率が90%以上」の企業は5割を超えており、出社を前提にしたワークスタイルが再度定着していることが分かります。移転理由としては「ブランド・リクルーティング強化」が過去最高を記録しており、人材確保への強い意欲が伺えます。
しかし、賃料の高騰が影響し、移転を断念したり減床を選ぶ企業も増加しており、需給の逼迫が顕著になっています。この中でも、企業は「オフィス環境の改善」を目指して動き出していることが感じられます。
まとめ
今後も不動産市場がどう変化していくのか、企業はどのような戦略を取っていくのか、動向から目が離せません。調査データを通じて、不動産市場やその関連課題の解決に向けた一助となることを期待しています。詳細な調査レポートはダウンロード可能ですので、ぜひご参照ください。