シュナイダーエレクトリック、AI時代のデータセンター向け液体冷却ソリューションを発表

シュナイダーエレクトリックが発表した液体冷却ポートフォリオ

シュナイダーエレクトリックは、AIおよびHPC（ハイパフォーマンスコンピューティング）環境における革新的な液体冷却ソリューションを発表しました。この新製品群は、特に電力密度が高く、熱を生じるGPUを有するデータセンターのニーズに応える内容となっています。未来のAIファクトリーを実現するために、これらのソリューションは最適化されています。

Motivairの製品を統合した充実したラインアップ

2025年の初めにMotivairを買収して以来、シュナイダーエレクトリックはその技術力と製品群を結集し、液体冷却の新しいラインアップを構築しました。これにより、CDU（冷却水分配ユニット）、ChilledDoor®リアドア型空調機、Dynamic®コールドプレート、チラー、テクノロジー冷却システム（TCS）ループが含まれ、これまでにない効率的な冷却が可能となっています。

液体冷却の利点とは？

液体冷却は、データセンターの電力使用量の40%を占める冷却効率を大幅に向上させる手段として注目されています。特に、直接液体冷却（DLC）は、エア冷却に比べて最大3000倍の熱除去能力を持っています。この技術の導入には、設置やメンテナンスに関する複雑性が伴うものの、シュナイダーエレクトリックはこれらの課題を克服するためのエンドツーエンドのアプローチを提供しています。

市場での需要に応じた強力なサプライチェーン

Motivairとシュナイダーエレクトリックは、データセンターに必要な機器を提供するためのグローバルなサプライチェーンを構築しました。最新の製造施設をアメリカとヨーロッパに持ち、リードタイムの短縮を実現。これにより、急速に変化する市場需要に応じた柔軟な供給体制を活用しています。

主要製品概要

新たに発表された主な製品には、以下のアイテムがあります：

1. CDU（冷却水分配ユニット）
MotivairのCDUは、105kWから2.5MWの範囲をカバーし、次世代プロセッサとの統合を実現しています。これにより、より高密度なラックに対応できます。

2. ChilledDoor®リアドア型空調機
最大75kWの電力を持つラックの冷却に最適化されており、設置場所も柔軟に適応可能です。HPC環境において非常に効率的な設計となっています。

3. HDU™（液体から空気へのCDU）
建物の冷水システムがないデータセンターにも柔軟に導入可能で、100kWを超える冷却性能を発揮します。

4. チラーやTCSループ
環境負荷を抑えながら、年間数百万ガロンの水使用量を削減します。これにより、データセンターの運営コストを大幅に低減可能です。

専門性の高いサービスの提供

シュナイダーエレクトリックは、冷却システムの導入と保守に対する専門的なサービスを提供しています。世界中に600名以上のエンジニアが展開されており、迅速なサポートと技術的なアドバイスを行っています。

まとめ

AIが加速する時代において、データセンターの冷却は非常に重要な要素です。シュナイダーエレクトリックが発表した新しい液体冷却ポートフォリオは、エネルギー効率の向上に寄与し、環境に配慮したデータセンター運営の実現をサポートします。これにより、企業はコストを削減しつつ、持続可能性を高めることが可能となります。今後もシュナイダーエレクトリックの取り組みに期待が寄せられます。