多摩動物公園がイヌワシを譲渡、野生復帰へ向けた新展開
イヌワシの譲渡が持つ意義
多摩動物公園は、イヌワシ(亜種ニホンイヌワシ)の譲渡を通じて、野生復帰のプロジェクトに寄与する重要な一歩を踏み出しました。国からの認可を受けた「南三陸地域イヌワシ生息環境再生プロジェクト協議会」にイヌワシを譲渡したことは、将来的に日本初の試みとしての成果をもたらす可能性が高いです。
このたび譲渡されたイヌワシは、2026年3月20日に孵化し、37日後の5月16日に正式に譲渡が実施されました。当園では、イヌワシの累代飼育に30年以上も貢献してきた実績があり、そのノウハウをいかして次世代の育成に寄与しています。
イヌワシを育てる経緯
1998年に初めてのイヌワシの繁殖に成功以来、多摩動物公園はイヌワシの飼育において独自の地位を築いてきました。特に、環境省の保護増殖事業計画に基づくイヌワシの譲渡は、地域密着型の環境再生に向けた新たな試みに他なりません。
譲渡の経緯を見ると、当園は2025年11月の時点で、公益社団法人日本動物園水族館協会のニホンイヌワシ計画推進会議からの依頼を受け、試験放鳥用のイヌワシを譲渡する運びとなりました。特に、羽数の少ないこの種類において、定期的な繁殖を通じて個体群の維持を目指しています。
今後の展開と目指す先
譲渡されたこのイヌワシは、南三陸でのハッキング法に基づく訓練を受けています。ハッキングとは、巣立ち前の幼鳥を自然環境に鳴らすための方法で、小屋内での餌付けを行いながら、徐々に外界に慣らしていく手法です。このプロセスを経て、今後巣立ちのタイミングで放鳥される予定です。
豊かな自然環境を取り戻すことは、ただイヌワシにとってだけではなく、流域全体の生態系の再生にも寄与することが期待されています。現在、多摩動物公園内では他に14羽のイヌワシも飼育されており、存続のための重要な活動が続けられています。
この譲渡が成功に終われば、日本におけるイヌワシの野生復帰の成功例として、他の国のプロジェクトにとっても良い模範となることでしょう。今後の動向に注目です。