米国ニューヨークを本拠地とするシューゲイズ・バンド、Hotline TNT(ホットライン・ティー・エヌ・ティー)が6月20日にリリースされる予定の3rdアルバム『Raspberry Moon』から先行シングル「Julia’s War」とそのミュージックビデオを公開しました。
このバンドは、Will Anderson(ウィル・アンダーソン)を中心に活動しており、2023年のアルバム『Cartwheel』で大きな注目を集めました。今回のアルバムは、彼らの音楽スタイルにおいて新たな一面を展開しており、これまで以上にスケールの大きな作品になっています。初めてフルバンド体制で制作された本作は、青春の悩みや大人としての成長といったテーマを描きつつ、チャーミングで時にユーモラスな内容が詰まっています。
今回のアルバム制作にあたって、アンダーソンは最初、ソロアルバムの制作を考えていました。しかし、過去10ヶ月にわたり共にツアーを行ってきたメンバー、ギタリストのLucky Hunter(ラッキー・ハンター)、ベーシストのHaylen Trammel(ヘイレン・トランメル)、ドラマーのMike Ralston(マイク・ラルストン)からの熱心な参加希望に応え、彼らと共に制作を進めることを選びました。この決断が、アルバムに深いテクスチャーをもたらし、活力ある仕上がりを実現しています。
『Raspberry Moon』には、全11曲が収録され、別れや後悔といったHotline TNTらしいテーマが満載です。しかし、これまでの作品と決定的に違うのは、新鮮さと希望を表現するポジティブな感覚です。このアルバムは、閉ざされた世界に抵抗し、自分自身のライフスタイルに新しい仲間を迎え入れる準備ができた人々の心に寄り添うものです。過去の不幸でさえ乗り越えていけるように、聴く者を前向きな気持ちにさせてくれる音楽となっています。
先行シングル「Julia’s War」は、芽生え始めた恋をテーマにした内容で、シンプルさと感情豊かなコーラスが特徴です。アンダーソンはこの曲の中で、現在の音楽シーンにおける課題に挑戦しており、ストレートなコーラスが耳に残ります。この曲のタイトルは、同時代のバンド、They Are Gutting A Body of Waterの活動に対する敬意が込められています。
「Julia’s War」のミュージックビデオはJohnny Frohmanが手掛けており、アンダーソンは「”フルメタル・ジャケット風シューゲイズ訓練キャンプ”を作った」と語っています。そこには、NYのコメディ・アンダーグラウンドから集まったキャストによるハードなトレーニングが行われ、観客を楽しませています。
ロックンロールの歴史は、ミュージシャンが自身の音を創り出す才能に基づいています。しかし、それが容易になった近年において、やはり最も大切なのは、仲間と協力してより良い音楽を作り上げることです。Hotline TNTは、今作『Raspberry Moon』でこれを見事に実現しています。アンダーソンは、周囲の世界に恋をし、その想いを数多のフックで彩られた楽曲に託しています。どの曲も思わず口ずさみたくなるようなメロディが素晴らしいです。
【リリース情報】
- - シングル「Julia’s War」 配信中 こちらから
- - アルバム『Raspberry Moon』 2025年6月20日リリース予定 配信リンクはこちら
【Tracklist】
1. Was I Wrong?
2. Transition Lens
3. The Scene
4. Julia’s War
5. Letter to Heaven
6. Break Right
7. If Time Flies
8. Candle
9. Dance the Night Away
10. Lawnmower
11. Where U Been?