次世代モジュールとは
2026-08-18 15:04:39

次世代3Dパワーモジュールが開く未来の電動化社会への扉

次世代3Dパワーモジュールが開く未来の電動化社会への扉



住友ベークライト株式会社が、国立大学法人東北大学と共同で開発した新しい3D SiC-MOSFETパワーモジュールが注目を集めています。このモジュールは、小型かつ高出力密度を誇り、2025年1月に設立された共創研究所の成果の一環として生まれました。この革新的な技術は、次世代の電動車両やエネルギー機器において、重要な役割を果たすことでしょう。

背景



電気自動車、通称EVの需要が高まり、性能向上と航続距離の延長が求められています。この流れの中で、車両全体の軽量化や動力システムの省スペース化が一層重要視されています。特に、モータ駆動用インバータなどを含むパワーエレクトロニクス分野では、高効率化とパワーデバイスの発熱増加への対応が求められています。これに応じて、小型化や高出力密度化を実現するための次世代パワーモジュールの研究開発が世界中で進んでいます。

本開発の概要



住友ベークライトは、東北大学の推進する高出力密度インバータ構想に基づき、独自の高機能樹脂製品を融合させ、この構想を実現しました。樹脂絶縁基板やエポキシ封止樹脂の熱膨張特性や弾性率を最適化することで、モジュールの反りを大幅に減少させました。さらに、銀セミシンタリング接合材の導入により、冷却器との接合信頼性も飛躍的に向上させました。この結果、インバータ出力密度300[kVA/L]を実現し、高い信頼性を備えたパワーモジュールが誕生しました。

技術の特長



1. 樹脂絶縁基板による反り抑制



従来のセラミック基板に代わり、樹脂絶縁基板を採用することで、铜との熱膨張ミスマッチを大幅に減少させ、パワーモジュールの反りをわずか20[um]以下に抑制しました。

2. 熱抵抗の低減と実装性向上



樹脂絶縁基板の導入により、基板間の熱膨張差による反りを抑え、モジュールと冷却器との接合におけるサーマルインターフェイスマテリアル(TIM)の薄塗化が可能になりました。これにより、熱抵抗の大幅な低減とともに、高い信頼性の接合を確保しました。

3. 低温・無加圧 銀セミシンタリング接合材



新たに開発されたこの接合材は、低温かつ無加圧での接合を実現し、モジュールが受ける熱応力を軽減します。この特性により、冷却器との接合層が薄くても信頼性と耐久性が向上します。

本技術により、業界標準と比較してパワーユニットの体積を約半分に減少させることが可能となり、車内のスペースの有効活用が実現します。

新たな展望



この3Dパワーモジュールは、2026年6月にドイツで開催されるPCIM Europe 2026にて発表される予定です。PCIM Europeは、パワーエレクトロニクスや再生可能エネルギー分野の国際展示会で、最新技術や研究成果が発信される重要なイベントです。

住友ベークライトと東北大学の共同研究所は、次世代のパワー半導体やAIデバイスに関わる新たな研究領域の確立を目指し、今後の電動化社会の発展に寄与していくことを宣言しています。研究所では、高機能樹脂材料技術と先進的なデバイス設計を統合し、より良い未来のための技術革新を続けていくでしょう。

本技術の進化は、皆様の生活にも新たな価値をもたらすものとなるでしょう。エネルギー効率が高く、居住空間を有効利用できる電動車両の未来への期待が高まります。


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