氷河期世代の株式投資の現状
近年、株式投資に対する関心が高まっていますが、特に氷河期世代はどのようにこの市場にアプローチしているのでしょうか。オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」が実施した調査をもとに、氷河期世代の株式投資の実態を見ていきます。
氷河期世代の割合と資産形成
2024年実施のアンケート調査によると、全国1万人を対象にした結果、氷河期世代(1970〜1984年生まれ)は28.2%が株式投資を行っていると回答。この割合は、団塊世代30.5%、Z世代24.0%とほぼ同等です。驚くべきことに、株式投資において成功し、資産を築いている割合も他世代と変わらないことが分かります。
具体的には、氷河期世代の中で株式投資に取り組む人のうち、63.5%が「500万円未満」の資産を保有しており、1000万円以上の資産を持つのは21.9%と、5人に1人は一定の資産形成を成し遂げています。これは、経済的に厳しいと言われる彼らがそれでも長期の視点で考えている証でもあります。
投資の目的と動機
氷河期世代が株式投資をする理由は、特に「老後資金の準備」が多く、37.3%がこの理由を挙げています。これは全世代の中でも突出した数字で、30.1%の人が「生活に使えるお金を増やすため」と回答しています。しかし、趣味や旅行に使いたいとコミットする割合は低く、自己のやりたいことに振り向ける関心は他世代よりも弱いと言わざるを得ません。
株式投資の視点
また、氷河期世代は他の世代と比較して短期的な視野が少ないという特徴も見られます。「5年後に資産形成を目指す」と答えたのは少数派で、10年以上先の目標を設定している人が73.8%にも達します。これまで不安定な状況を経験してきた彼らにとって、短期的な成果よりも長期的な安定を求める傾向が強いようです。
投資スタイルの傾向
興味深いことに、投資スタイルにも特色があります。調査によると、氷河期世代は「高配当株で配当生活を実現したい」という回答が38.9%と最も多いのですが、インデックス投資への関心は比較的低く、若い世代が3割以上選ぶ中、氷河期世代は19.4%に留まりました。これは長らく安定した収入を得られなかった経験が影響している可能性があります。
投資をしない理由
しかし、株式投資に取り組んでいない人も多く、理由として最も多いのが「投資資金がない」との回答で、これは全世代に共通して見られます。この点では氷河期世代だけの問題ではないものの、下の世代は「知識の欠如」を理由に挙げることが多く、やはり氏前の経済的な不安が影響を与えているようです。
未来への展望
日本政府が氷河期世代に対する支援を行っている中で、この世代の株式投資へのアプローチは他の世代と同様に多様です。彼らはより自分の手で未来を形成しようとする姿勢が見える一方で、株式投資に対する知識や情報を求める姿勢も強いと考えられます。
面白いのは、誰でも平等にチャンスがある株式市場の魅力です。資金量や求める成果によって、じっくりと時間をかけて資産を築くこともできますし、一気にお金を増やすことも可能です。これからも氷河期世代を含むさまざまな世代に向けて、情報提供や教育の場を設け、株式投資の正しい知識を広めていくことが重要です。
株の学校ドットコムでは、資産形成を目指すすべての人のために、さらなる学びの場を提供し、更なる金融リテラシーの向上に努めてまいります。