産地の魅力を伝える伝統的な味わいがグッドデザイン賞受賞
2025年度のグッドデザイン賞を受賞したオリジナル商品、
『伝統のやぐら干し・産直大根ぬか漬けたくあん』。この商品は、パルシステム生活協同組合連合会が手掛けたもので、地域の活性化を目的とした取り組みが評価されました。
伝統手法と地域支援の融合
『伝統のやぐら干し』は、宮崎県の特産品である産直大根を使用し、特有の「やぐら」形式で乾燥させる方法で知られています。大根は3カ月以上の熟成を経て、深い旨みを引き出しています。この製法は、かつて廃棄されていた柿皮を再利用するなど、地域資源の無駄を省く工夫も盛り込まれています。
生産者たちは、季節の寒風にあたる大根を一本ずつやぐらに干し、自然の力を借りて製品を作り上げています。この手作業の伝統が守られる背景には、高齢化や後継者不足といった地域の課題がありますが、パルシステムはこの商品の普及を通じて、地域への関心と理解を深めていこうとしています。
地域課題を解決するモデルケース
審査員からは、生産者と消費者が一体となった取り組みであり、地域農業の持続可能性に寄与する点が高く評価されました。単なる商品の販売ではなく、コミュニティを形成し、地元の暮らしを支える仕組みづくりが重要視されています。パルシステムの理念—顔の見える「産直」—は、設立以来、消費者と生産者をつなぐ重要な要素となっています。
受賞の背景とリアルなつながり
また、審査員は、「つくり手と食べ手が利益やリスクを分かち合う」とする産直の理念を体現された点も評価しました。受賞に伴い、消費者を産地へと誘導し、交流が促進される機会の創出も見逃せません。これにより、商品の背景にある歴史や文化が広がり、より豊かな地域社会の形成につながっています。
「GOOD DESIGN EXHIBITION 2025」への出展
この商品の展示が、11月1日から5日にかけて東京・六本木の東京ミッドタウンで行われる「GOOD DESIGN EXHIBITION 2025」に出展される予定です。この機会に、ぜひその魅力を直に感じ取ってください。
未来へのビジョン
パルシステムは、安全・安心な食を提供することを最優先にしており、地域の農業を守り育てることを掲げています。持続可能な社会の実現に向けて、これからも生産者と消費者の橋渡し役としての役割を果たしていくことでしょう。
根付いた伝統と新しい価値観の融合を実現した『伝統のやぐら干し・産直大根ぬか漬けたくあん』は、ただの漬物ではなく、地域を盛り上げる大きな力を持っているのです。地元の風土を感じながら、ぜひその味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。