商船三井がバイオ燃料航海を実施
商船三井株式会社は、資源メジャーであるAnglo American向けに運航するケープサイズバルカー「LAMBERT MARU」において、バイオ燃料を使用した航行を始めたことを発表しました。9月14日にシンガポール港で補油を行い、化石燃料に代わる代替燃料として注目されているバイオ燃料を用いたこの航海は、持続可能な海上輸送の新たな一歩となることでしょう。
バイオ燃料の導入とその効果
今回、使用されるバイオ燃料はISCC-EU(International Sustainability & Carbon Certification)認証を受けたもので、廃食油などの生物由来の有機性資源を30%ブレンドしたB30という混合油です。この燃料を用いることで、従来の化石燃料と比べて航行中に排出されるCO2を約30%削減することが期待されています。
バイオ燃料の大きな利点は、既存の船舶のディーゼルエンジンを改造せずにそのまま使える点です。これにより、燃料切替に伴うコストや労力を最小限に抑えつつ、GHG排出量の削減に寄与することができます。
環境戦略「BLUE ACTION 2035」
この航海は、商船三井グループが進めるカーボンインセットプログラム「BLUE ACTION NET-ZERO ALLIANCE」に基づくものです。このプログラムは、海上輸送のネットゼロ実現を目指す取り組みの一環として、ステークホルダーとの共創を重視しています。本航海を通じて生まれたGHG削減価値は、デジタル証書としてAnglo Americanに割り当てられ、同社の統合報告書などに反映される予定です。
豪華な船「LAMBERT MARU」の概要
「LAMBERT MARU」は292メートルの全長を持ち、幅は45メートル、積載量は180,432 MTです。こうした大型船の性能を生かしつつ、環境負荷を軽減する形での運航は、商船三井が追求する持続可能な未来への重要なステップとなります。
結論
商船三井のバイオ燃料を使用した航海は、業界の環境意識を高め、持続可能な社会へ向けた大きな動きとなることが期待されます。今後もこのような取り組みが進められることで、海上輸送の脱炭素化が加速し、地球環境保護に寄与することになるでしょう。商船三井は、経営計画「BLUE ACTION 2035」に基づき、環境戦略を一層強化し、クリーン燃料導入を推進してまいります。