師弟の絆が描かれる和菓子物語
2025年12月22日に待望の小説「花も団子も春呼ぶ和菓子と奈良の町」が発売されます。この作品は、いのうえ えい氏によるもの。彼の繊細な筆致で、和菓子と人間、そして妖が共存する奈良の町の魅力が描かれています。装画は、人気イラストレーターのうごんば氏が手掛けており、作品の雰囲気を一層引き立てています。
物語は、奈良の老舗和菓子屋『ことこと庵』を舞台に展開します。この店の新米和菓子職人、紺野旭は、天敵である妖、有楽との奇妙な師弟関係に悩む日々を送ります。有楽は時折帰ってきては、旭が丹精込めて作った和菓子を「謎の和菓子」に変えてしまう自由気ままな存在です。二人の関係は、お互いを理解し合おうとするものの、なかなかうまくいかないという微妙な距離感が魅力的です。
「ことこと庵」は悩みを持つ人々が訪れる場所です。和菓子の持つ優しい味わいや、美しさを通じて、訪れた人の心を癒やしていくストーリーは、どこか温かみを感じさせます。旭は和菓子を作る中で、訪れる客に寄り添い、彼らの心をほぐしていきます。また、尿路結石を患い、これまでの生活を見つめ直すきっかけを得たキャラクターの内面にも触れ、心の奥底にある優しさや感謝の気持ちが描かれている点が印象的です。
この小説の特筆すべき点は、二人の師弟はお互いが知らない、ある秘密を抱えていることです。その秘密が物語の核心にどのように作用するのか、読者の想像を掻き立てます。その先に待ち受ける感動のクライマックスは、この物語全体を通じて読む価値を与えていると言えるでしょう。
加えて、発売同日から電子書籍も配信されます。また、関西協力店舗にて購入した方には、特典としてクリアカードがプレゼントされますので、ファンは見逃せない内容となっています。クリアカードにはうごんば氏の美しいイラストが採用されており、コレクターアイテムとしても価値が高いです。
初完成版を読んだ書店関係者からは、「和菓子の繊細さやその背景にある感情が見事に表現されている」との感想や、作品全体が宝箱のような内容であると高い評価を得ています。また、和菓子の師匠である有楽のキャラクター造形も愛されており、彼の存在がストーリーを一層引き立てています。
この物語を通じて感じることは、和菓子が人々に幸せをもたらす存在であること。時間が経つにつれて人間と妖の関係がどのように変化していくのか、そして彼らがどのようにお互いを理解し合い、成長していくのか、心温まるストーリーを楽しみにしていてください。
書誌情報
- - タイトル: 花も団子も春呼ぶ和菓子と奈良の町
- - 著者: いのうえ えい
- - ISBN: 9784867168820
- - 定価: 781円(本体710円+税10%)
- - 発売日: 2025年12月22日
さらに、著者の他の作品も要チェックです。いのうえ えい氏は奈良県出身であり、地域色豊かな作品を数多く著しています。彼の作品に触れることで、奈良の魅力をより深く味わうことができるでしょう。お楽しみに!