PTCがOnshapeにモデルベース定義機能を追加
米国マサチューセッツ州に本社を置くPTC社は、同社のクラウドネイティブなコンピュータ支援設計(CAD)プラットフォーム「Onshape®」に、完全なモデルベース定義(MBD)機能を新たに導入したことを発表しました。この新機能によりエンジニアは設計プロセスの初期に製造情報を3Dモデルに直接組み込むことができます。これによって、製品の設計意図がより明確になり、共有や引き継ぎの負担が軽減されるほか、全体的な業務効率の向上が期待されます。
従来の課題を解決するクラウドネイティブプラットフォーム
従来のファイルベースのCADおよびPDMシステムでは、製造データが図面やエクスポートファイルなど複数の場所に分散しており、製品定義の最新性やアクセス性、信頼性を確保することが困難でした。この点、AWS(Amazon Web Services)上に構築されたOnshapeのクラウドネイティブプラットフォームは、チーム全員が常に最新の製品定義を共有しながら作業できる環境を創出します。これによってエラーを削減し、設計から製造に至るプロセスを加速させることが実現されます。
実際の導入事例
実際にOnshapeのMBD機能を導入している企業の一つであるAura Aero社の最高デジタル責任者Marc Germain氏は、「規制が厳しい航空機製造において、あいまいさは大きなコストにつながる」と述べています。彼はOnshapeのMBD機能により、認証や製造要件が図面やファイルではなくモデル内に保存でき、手戻りやレビューサイクルの短縮につながっていると説明します。これによりチーム間の引き継ぎを減少させ、業務効率を向上させています。
AWSとの連携による新たな可能性
また、AWSの自動車・製造業担当ゼネラルマネージャーMichael Choe氏は「Onshapeのモデルベース定義は、AWSとPTCが協力してエンジニアリングを最新化する好例です」と語っています。AWSのクラウドプラットフォーム上でエンジニアリングツールを再構築することで、グローバルな展開やAIによる機能強化、分散チーム間のリアルタイムコラボレーションが可能になり、新しい可能性が開かれています。
MBD機能の具体的な特徴
PTCのOnshapeが提供する主なMBD機能には、以下のような特徴があります。
- - 統合された3Dアノテーション: エンジニアは、GD&Tや溶接記号、データムを3Dモデルに直接埋め込むことができ、従来の2D図面に依存することなく設計意図をしっかりと伝達できます。
- - スマート検査パネル: すべての製品製造情報(PMI)が構造化されたフィルタ可能なリストに整理され、関連するモデル形状が即座にハイライトされます。
- - 共有可能なMBDビュー: PMIを含むモデルを簡単なURLで共有でき、エクスポートやプラグインを必要とせずにブラウザ上でアクセスが可能です。
- - フィーチャーツリーとの統合: MBDアノテーションはフィーチャーツリーにリンクされ、設計変更に伴う仕様の整合性を維持します。
- - 下流工程への対応: STEP AP242エクスポートやPC-DMIS、AS9102などのツールとの統合により、さまざまな検査やコンプライアンスワークフローに対応します。
今後の展望
PTCのOnshapeやArenaのEVP兼ゼネラルマネージャーであるDavid Katzman氏は、「クラウドネイティブなMBDは、企業がインテリジェントで完全なデジタル製品ライフサイクルを構築するための重要なステップです」と述べ、製品定義のクラウドへの移行が障壁を取り除くことに繋がるとしています。
この新しいMBD機能によって、製造業や製品企業はデジタルトランスフォーメーションを加速させることができ、高品質な製品を迅速に市場に投入する体制を整えることが可能になります。製造業界の未来を見据えた新たな一歩が、ここに踏み出されました。詳細は
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