AI教材「tokuMo」にテックタッチ導入で教育現場の活用を加速

河合塾とテックタッチの新しい展開

近年、教育現場ではAIを活用したICT教材が注目を集めています。そんな中、河合塾が提供する高校生向けのAI教材「tokuMo」に、次世代のデジタルアダプションプラットフォーム（DAP）として知られる「テックタッチ」が導入されることとなりました。これにより、教員と生徒の双方にとって利便性が向上することが期待されています。

「tokuMo」とは？

「tokuMo」は、河合塾わかる授業での生徒支援を目的に開発されたAIを活用したドリル型教材です。この教材は、生徒一人ひとりの学習状況を分析し、個別最適化学習を実現します。さらに、教員向けには課題作成や自動採点、学習管理機能が整備されており、教科を超えた幅広い活用が可能です。

しかし、便利さの裏には教育現場での多忙さが影を落としていました。多機能なシステムすぎて、マニュアルに依存して利用するしかないという現実があったからです。そのため、指導効率を高めるためには、教員がすぐにこのシステムを使いこなせる環境を整えることが急務でした。

テックタッチの導入背景

この課題解決のための一手が、テックタッチの導入です。テックタッチは、直感的に操作できるガイドを生成し、システム担当者の負担を軽減することができるノーコードのプラットフォームです。これにより、教員のログイン時に主要機能を紹介するガイドツアーが表示され、初めての利用者でもスムーズに操作できる新たな環境が実現されます。

利用状況と効果の期待

2025年6月から、tokuMoにおけるテックタッチの運用が始まりました。教員が直面するつまずきやすいポイントに対して、補足情報がアシストされ、必要な操作がリアルタイムで案内されます。このシステムのもと、教員は効率よく学習環境を整えることができるようになり、より多くの生徒に向き合う時間を確保することができるのです。

また、どうしても把握が難しかった各メニューの利用率やつまずき箇所が可視化されるため、教員自身が分析を行い、次のステップに繋げることが可能になります。これにより、教育の現場での実績が向上し、学習効果も最大化される期待が高まります。

今後の展開と目標

河合塾は、当面の目標として教員のログイン率や課題配信数といった指標の向上を挙げています。また、テックタッチから得られる利用データをもとに、新たなガイドコンテンツや操作画面（UI/UX）の改善を継続的に行い、教員の負担を軽減していく方針です。

河合塾の田村氏は、「これまでの手動によるサポートが大変だったが、テックタッチの導入により利用者が基本機能を簡単に体験できるようになった」と述べています。そして、教育の質向上を目指す新しい取り組みが進行中です。教育現場でのEdTechサービスは多様ですが、まずは使用におけるハードルを下げることで、指導の質を改良し、生徒の学びの体験を豊かにしていくことが求められています。