組織内での意思決定の実態とその影響
一般社団法人日本リスクコミュニケーション協会(RCIJ)が実施した調査によると、ビジネスパーソン276名が参加した結果、企業における意思決定のあり方が明らかになりました。特に、いくつかの興味深い発見が組織の意思決定プロセスやその結果に関する問題を浮き彫りにしています。
イシューの核心:なぜ優秀な人がいる組織でも失敗が多いのか
最近の不祥事が多発する中、私たちは「なぜ優秀な人たちがいる組織が不適切な判断をしがちなのか?」という問いを考える必要があります。この調査の目的は、組織における意思決定プロセスとその結果として生じる失敗や炎上との関連性を示すものです。調査の結果、「出来レース型」の意思決定が繰り返し失敗を招いていることがわかりました。このような形式では、52.3%が「何度も失敗した」と回答しています。
組織の決定が忖度される現実
さらに調査では、企業内の意思決定への忖度経験が非常に高いことも分かりました。一般職の93.6%、管理職の98.1%が、「異議を唱えたいが、忖度して黙っていた」と答えています。これは、同じ組織内での意思決定において、意見が通りにくい環境が存在していることを示唆しています。組織の決定に違和感を感じながらも意見を控えることが日常化しているのです。
問題提起が機能しない会議の実態
さらに、調査結果からは、会議における異論の扱いについて、約半数が「聞き流される」と考えているという結果が出ています。組織内での問題提起がきちんと機能していないことは、意思決定が行われる際に深刻な問題を引き起こす可能性があります。このように、意見の存在はあっても、その意思決定に影響を与えない構造が蔓延しているのです。
専門家の提言と今後の取り組み
調査の結果、特に注目すべき点は、「管理職ほど黙っている」現実です。これは、上からの期待と部下への責任の間での板挟みとも言えますが、組織の文化や意思決定プロセスの見直しが急務です。失敗を「覚えていない」という状態が続くことによって、振り返りや学びが起きず、最終的には外部から不祥事や炎上が引き起こされることに繋がりかねません。
これに対して、専門家からは「心理的安全性を高めることが必要」という声も上がっています。単に「意見を言っても良い」という環境を整えるだけではなく、発言したことが実際に反映される仕組みを導入することが肝要です。
調査概要
- - 調査名:企業の集団浅慮に関する意識調査
- - 対象:企業・組織に勤務するビジネスパーソン
- - 有効回答数:276名
- - 調査期間:2026年4月20日
今後のセミナー案内
2026年4月23日に、フジテレビ問題をモデルケースとしたオンラインセミナーが開催予定です。参加者にはこれらの問題に対する解決策を考え、それが優秀な組織での意思決定にどう活かせるかを学ぶ良い機会です。
このように、調査結果に基づく理解や対策を行うことで、ビジネスパーソンがより良い意思決定を実現する組織を築いていくことが可能になります。