冨士ダイス、粉体粉末冶金協会賞を受賞
冨士ダイス株式会社が、一般社団法人粉体粉末冶金協会の2024年度新技術・新製品賞(優秀賞)を受賞しました。この受賞は、同社が開発した「高熱膨張ガラス成形金型用硬質材料」に関する記事が評価された結果です。
受賞の背景
2023年度、日本機械工具工業会主催の「技術功績大賞」や日刊工業新聞社の「十大新製品賞」での受賞を含め、冨士ダイスは今回で4度目の受賞を果たしました。これらの賞は、企業の技術開発の成果を改めて証明するものとなっています。特に、ガラス成形用の新硬質材料【フジロイTR05/TR30】は、赤外線透過ガラスレンズの需要が高まる中で重要な役割を果たしています。
新硬質材料【フジロイTR05/TR30】について
自動車の自動運転用センサーや監視カメラに使用される赤外線透過ガラスレンズは、熱膨張係数が高いため、従来の金型では成形時に寸法のズレが生じやすく、これが割れやすさの要因となっていました。それを解決するのが冨士ダイスの開発した新硬質材料です。
この新材料は、ガラスの膨張特性に合わせて熱による寸法変化を従来の2倍に抑え、割れを防ぐことを実現しました。これにより、安定した量産が可能となるのです。
特徴・利点
1.
熱膨張係数が従来の超硬合金の約2倍
ガラスの熱膨張係数に近づけることで、より効果的に成形が行えます。
2.
重量の軽さ
比重が従来の超硬合金の約半分となり、作業の効率が向上します。
3.
離型性の向上
硝材が嚙み込むのを抑制し、成型時のリスクを減少させます。
これらの特性により、赤外線透過レンズや医療用ガラス精密加工製品に最適な材料となっており、多様な製造プロセスにおいて高い安定性を確保しています。
今後の展望
冨士ダイスは、76年間の歴史を誇る超硬合金製工具・金型メーカーであり、素材開発や精密加工において強みを持っています。国内外に生産拠点を持ち、長期的な成長を見据えた技術開発を継続していく意向です。粉末冶金技術と超精密加工技術を活かし、さらなる革新を追求していくことでしょう。
詳細情報は冨士ダイスの公式ウェブサイト(
こちら)にてご確認ください。