新入社員の職場フィットネス向上に向けた調査結果と提言
近年、新入社員の価値観や働き方が変化し、職場への適応が難しくなっている中、株式会社NEWONEが新たな調査レポートを発表しました。本レポートでは、2024年度に入社した1,274名の新入社員とその直属上司1,353名を対象に、職場に適応するための要素がどのようなものなのかを分析しています。
調査の背景と目的
働き方の多様化が進む中で、新入社員が職場に馴染むための支援が必要とされています。従来のオンボーディング施策では、十分に支援できないケースが目立ちます。それを受け、NEWONEが開発したPANAIサーベイは、職場適応を科学的に可視化する手段として、社員が早期に環境に馴染む手助けを目的としています。
調査の方法
本調査は、2024年10月から2025年9月までの期間に実施。対象となるのは、製造業やIT業界など、様々な業種の新入社員と上司です。具体的には、オンボーディングの状態を示す15項目に加えて、4つの新指標(組織適応度、人間関係満足度、キャリア展望、役割適合度)を設定し、相関分析や重回帰分析も実施しました。これにより、職場フィットや入社の前向きさが新入社員の組織適応にどのように寄与するのかを明らかにしています。
調査結果の要点
調査結果から、以下の3つの重要な点が浮かび上がりました。
1. 組織適応を高める要素は「職場フィット」と「入社の前向きさ」
調査によれば、職場のミッションや提供価値への共感が新入社員の組織適応度に極めて高い影響を与えることが判明しました。新入社員が早期に職場の目標を理解し、自身の業務に結びつけることが重要であるとされています。これにより、社員が自らの役割への適応を促進するための基盤が構築されます。
2. 新入社員の仕事の意義・価値の認識が鍵
職場環境における人間関係の満足度は高いものの、貢献実感やキャリアイメージに関しては物足りなさを感じている状況があります。教育や育成施策を通じて、新入社員に仕事の意義を見出させる必要があります。このプロセスを通じて、仕事に対する価値を明確化し、より積極的に参画できる環境を作ることが求められます。
3. 上司との認識ギャップを埋める重要性
上司と新入社員の間での認識には大きなギャップが見られました。上司は、新入社員が持つ仕事への貢献感や成長実感を不足と捉えがちです。このため、定期的な振り返りやコミュニケーションを通じて、両者の意識をすり合わせることが欠かせません。上司が適切なフィードバックを行うことで、新入社員の自己評価や成長を促進することが考慮されるべきです。
まとめ
本調査レポートは、新入社員が職場に適応し、早期に活躍するために必要な要素を明らかにすることを目的としています。職場へのフィット感や入社への前向きさを重視し、業務の意義を伝えることが特に重要です。今後、企業はNEWONEの調査結果を参考にしながら、自社のオンボーディング施策を見直し、より実効性のある育成環境を整えることが求められます。さらに、これらの取り組みを通じて、社員の定着率を高め、エンゲージメントを向上させるための戦略を模索していくことが期待されています。