横浜銀行の業務効率化を目指した新たなシステム導入
横浜銀行が、株式会社ダイナトレックと連携して新しい「コベナンツ管理システム」を全支店に導入することが決定しました。本格運用は2025年4月1日からスタートします。このシステムは、企業向けの特約条項(コベナンツ)付き融資の管理業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)を促進する目的で開発されました。
特約条項付き融資の背景
近年、企業向けの融資においては、融資実行後も継続して借入企業の経営状況や財務状況を把握する必要性が増しています。これに対応するために、コベナンツ付きの融資が増加していますが、そうした条件の管理は膨大な書類や期日管理を伴い、銀行の業務負担を増大させていました。横浜銀行は、この負担の軽減と融資条件の適切な管理を実現するために、このシステムの導入を決定しました。
コベナンツ管理システムの特長
1. 一元管理の実現
新システムにより、融資条件や提出期限を一元的に管理することが可能になり、これにより担当者の負担が軽減され、管理漏れのリスクも大幅に減少します。
2. デジタル承認プロセス
従来、紙ベースで行われていた承認プロセスは完全に電子化され、業務の効率化と迅速化が実現されます。このプロセスのデジタル化は、情報のやり取りをスムーズにし、担当者の作業時間を短縮させるでしょう。
3. 自動化された権限管理
人事情報との連携により、担当者の異動や権限変更が自動的にシステムに反映されます。これにより、常に最新の情報を基にした適切な権限管理が可能になります。
4. 電子文書の管理
契約書や関連資料についても、電子管理されるため、必要な情報へのアクセスが迅速に行えます。この機能により、顧客対応のスピードも向上するでしょう。
5. リアルタイムのリスク管理
融資条件の管理状況を年度別に一覧化し、リアルタイムで把握できるため、リスク管理も効果的に行えるようになります。
今後の展開
横浜銀行は、コベナンツ管理システムを既存の「DYNATREK BI Platform」とさらに連携させ、蓄積されたデータを効率的に利用し、顧客サービスの向上と業務効率化を進めていく方針です。これにより、金融業界におけるDXのさらなる促進が期待されます。ダイナトレックも、引き続き金融業界のデジタル化を支援し、データ活用を通じて経営課題の解決に寄与していく考えです。
まとめ
横浜銀行のコベナンツ管理システム導入は、銀行業務における効率化とデジタル化の一環として注目を集めています。特約条項付き融資の管理がデジタル化されることで、これまでの業務負担が軽減され、より高度な顧客サービスが実現されることが期待されています。この取り組みは、他の金融機関にも影響を与える可能性があり、今後の展開に注目が集まります。