2025年ゴールデンウィークの旅行動向
株式会社エイチ・アイ・エス(HIS)が発表した2025年のゴールデンウィーク(GW)に関する旅行予約動向は、興味深い結果を示しています。GWは4月25日から5月6日までの期間で、今年は日並びの悪さが影響する中での旅行が期待されています。
調査の概要
調査は2025年3月24日から行われ、HISを通じて旅行を申し込んだ方を対象に、旅行の予約状況をまとめました。特に注目すべきは、ツアーやダイナミックパッケージ、航空券が対象で、宿泊のみの予約は除外されている点です。これに基づき、予約人数をキャンセル数を除いて算出しています。
市場環境の変化
国連世界観光機関のデータによると、2024年の国際観光客数はコロナ禍前に戻りつつあり、多くの観光地がそれを超える賑わいを見せています。これとは対照的に、日本からの出国者数は約1,300万人で、2019年の64.8%に留まっています。また、訪日外国人は過去最高の3,600万人を超え、インバウンドとアウトバウンドの大きな差が見受けられます。円安動向も手伝い、国内の宿泊費は特に都市部で上昇しています。
GWの予約動向
今年のGWは土日に挟まれた平日があるため、旅行者は短期間での休暇を計画しています。海外旅行の予約者数は前年同期比で96.9%と、日並びの影響もあり3ポイント減少しましたが、平均単価は昨年とほぼ変わらない203,000円となりました。特に出国ピークは5月3日、帰国ピークは5月6日と、後半の4連休を利用した旅行者が多く見られます。
人気の海外旅行先
予約者数ランキングでは、ソウルが3年連続で1位を獲得。続いて、近場の旅行先が選ばれ、長距離路線のランキングではパリが14位に入っています。旅行者の傾向として、4日間の旅行が最も多く、次いで5日間となります。また、ビーチリゾートが人気のケアンズとセブ島が急上昇しております。
海外旅行急上昇先
特に注目したいのは、中国の上海です。ビザ免除措置の適用を受けて前年比262.3%の成長を見せています。観光名所や娯楽施設が充実しており、特に上海ディズニーリゾートとのセットプランが人気です。続いて、3位にはマドリードが名を連ねており、スピーディな日程での周遊を求める旅行者が多くなっています。バルセロナの世界遺産・サグラダ・ファミリアも注目されています。
国内旅行の動向
国内旅行の予約者数は前年同期比109.2%と好調で、平均単価は97,300円でした。出発日のピークも海外旅行と同じく5月3日で、続く日も4月末の日付が人気です。旅行先ランキングには、前年とほぼ同じ顔ぶれが並び、特に隣接県の予約者が増加している傾向が見受けられます。東京都はインバウンド需要により宿泊費が高騰し、前年を下回る結果となりました。
急成長を遂げた国内旅行先
急上昇した旅行先としては、高知県が1位となり、四国周遊の拠点として注目を集めています。レンタカー利用が多く、行動範囲を広げる旅行者が増加していることが伺えます。旅行の選択肢は多様化しており、シーズンごとに人気の旅行地が変わっています。
まとめ
2025年のGW旅行予約動向を通じて、国内外の旅行先がどう変化しているのかが明らかになりました。旅行者は短期間でのニーズに応じた選択をしており、旅行先の選定基準も変わりつつあります。今後の動向が楽しみです。
詳しい情報はHISの公式特集ページをご覧ください:
HIS GW特集
このデータを引用する際は、出典(HIS「2025年GW旅行予約動向」)の表記をお願いします。