新しい就労支援モデル「キャリスタ」
本記事では、長野県岡谷市で始まった障がい者のための新しい就労支援モデル「キャリアスタートアップ(キャリスタ)」について詳しくお伝えします。このプログラムは、株式会社綜合キャリアトラストとエプソンミズベ株式会社が共同で開発したもので、独自の仕組みで支援を行うものです。
プログラムの目的
キャリスタは、「働く」ことに関する社会の課題を解決するために設計されました。具体的には、障がいのある人材の能力を高め、採用試験に合格させることを目指しています。このプログラムでは、週1回の職場実習と週4回の支援センターでの振り返り面談を行うことで、参加者の成長を促進します。また、就労移行支援を受ける中で、経済的・社会的自立を実現することも目的とされています。
プログラムの背景
エプソンミズベは障がい者の雇用を積極的に推進する企業として地域でも高い評価を受けていますが、一方で正社員としての雇用条件は厳しく、選考基準を満たす人材を見つけることが課題となっています。このような状況を解消するために、就労移行支援事業所であるSAKURA岡谷センターと連携し、実習プログラムが作られました。
プログラムの特徴
キャリスタでは、実習生が企業での職場体験を通じて、自らのスキルを見極め、実践的な学びを得られます。1週間ごとに実施される振り返りを通じて、参加者は具体的な改善策を見つけることが期待されています。
さらに、企業側にもメリットがあります。候補者との直接の接点を持ち、スクリーニングではわからない本当の実力を引き出すことができるからです。これにより、求める人物像とよりマッチする人材を見つけるチャンスが広がります。
プログラムの流れ
1.
実習生の募集・選考: SAKURA岡谷センターでのビジネススキルやPCトレーニングを受けた利用者から、実習を希望する人材を選考。
2.
事前準備: 参加者の希望やスキルを整理し、三者間(本人・企業・支援機関)で実習概要を確認します。
3.
職場見学: 事前に職場環境や仕事内容を確認し、参加者が安心して参加できるようにします。
4.
チャレンジ実習: 4週間の間に週1日、エプソンミズベで実習を行い、他の4日はSAKURA岡谷センターでの支援に参加します。日報を活用した振り返り面談も行い、学びを日々形にします。
5.
最終振り返り: 最終日には面談を行い、成果と課題を振り返ります。就業が難しい場合でも、さらなるトレーニングや他企業への応募支援も行います。
今後の展開
本プログラムの実証結果を基に、綜合キャリアトラストは他の企業や地域へこのモデルを展開する計画を進めています。障がい者の持つ潜在能力を引き出し、より多くの人が希望するキャリアを築けるように支援していくことを目指しています。
企業概要
綜合キャリアトラストは、特例子会社として障がい者の雇用支援を行っている企業です。多様な業務を受託し、ノウハウを基にした就労移行支援やコンサルティングサービスを展開しています。障がい者の雇用を社会全体で支援し、より良い未来を切り開くための取り組みが続けられています。
この新しい就労支援モデル「キャリスタ」が、障がい者の就労機会を拡大し、社会に貢献する一助となることを期待しています。