日本の現代音楽を紡ぐ新たな弦楽五重奏の旅
伝統的なクラシック音楽の中で、コントラバスを含む弦楽五重奏というスタイルはあまり注目されてこなかった。しかし、日本の音楽シーンでは、さまざまな作曲家がこの編成に新しい魅力を見出し、独創的な作品を生み出している。そんな中、2025年7月8日(火)に杉並公会堂 小ホールにて開催される『五絃の追憶』が、その魅力を存分に伝える公演として注目を集めている。
この公演では、弦楽五重奏の可能性に着目し、日本の現代音楽界を彩る作曲家たちの作品が演奏される。中でも、特に注目すべきは、2023年に逝去された下山一二三の代表作「エキソルシズム」。これは彼の弦楽器作曲技法の確立において重要な位置を占める作品であり、観客に彼の独自の音楽世界を紹介する。
また、2024年に亡くなった安達元彦の「コンチェルタント」は、彼がフォークソングや民謡への接近を試みる過程で生まれたもので、時代の変遷と彼の音楽的進化を感じさせる名作である。さらに、現代日本音楽界の重要人物、中川俊郎によるチャイコフスキーへのオマージュ作品「チャイコフスキヤーナ」の再演も付き添い、観客を魅了すること必至だ。
今年の公演には、国内外で活躍する意欲的な作曲家たちによる新作も予定されている。第32回芥川也寸志サントリー作曲賞を受賞した波立裕矢による委嘱新作もその一つ。彼の作品は、弦楽五重奏という独特の編成を活かし、聴く者に新たな発見と感動を与えるに違いない。
演奏は、クラシック音楽と現代音楽に精通した5人の奏者によって行われ、その表現力豊かな演奏が聴衆を魅了する。出演メンバーには、ヴァイオリンで活躍する花田和加子、松岡麻衣子、ヴィオラの甲斐史子、チェロの下島万乃、そしてコントラバスの近藤聖也が名を連ねている。
公演の詳細は以下の通り。
- - 日時: 2025年7月8日(火)
- - 開場: 18:30
- - 開演: 19:00
- - 場所: 杉並公会堂 小ホール(東京都杉並区上荻1-23-15)
チケットはすでにカンフェティにて販売されており、一般席は3000円、学生席は1000円となっている(全席自由・税込)。現代音楽が持つ新たな可能性と、コントラバスを含む弦楽五重奏の調和を楽しむこの機会に、多くの人々の参加をお待ちしている。チケット購入は以下のリンクから可能である。
カンフェティチケットサイト