江戸指物 木工芸家 島崎敏宏の仕事 蘇れ御蔵島桑展
銀座・和光にて、9月26日(金)から10月5日(日)まで、木工芸家の島崎敏宏氏による特別展が開催されます。展覧会のタイトルは「江戸指物 木工芸家 島崎敏宏の仕事 蘇れ御蔵島桑」。この個展では、江戸指物の伝統技法を駆使した島崎氏の作品が披露され、江戸文化の魅力が詰まった展示となっています。
島崎敏宏氏は、江戸指物師の家系に生まれ、長年にわたり伝統技法を受け継いできました。木材の特性を巧みに活かし、類まれな様式美を追求する姿勢がその作品には感じられます。特に彼の得意とする組手技法は、釘を使用せずとも木材を精密に組み上げ、優れた強度と耐久性を持つことが特長です。また、漆仕上げにより、木目の美しさが引き立てられ、一つ一つの作品が異なる顔を見せています。こうした作品は、技巧を誇示することなく、堅牢でありながら繊細な印象を与え、まさに江戸の粋が凝縮されています。
本展では、特に注目すべきは、桑材の最高峰である「御蔵島桑」を用いた作品です。小抽斗や提箱などの器物をはじめ、小机、硯箱、手鏡、さらにはステッキに至るまで、島崎氏の貴重な江戸指物が多数展示され、その卓越した技術を間近で感じることができます。御蔵島桑拭漆提箱や提抽斗箱、さらには水輪床脚小箱など、各作品は木の温かみを感じさせられる仕上がりであり、美術品としての価値は高いものがあります。
島崎敏宏のプロフィール
島崎敏宏氏は1949年、東京都荒川区に誕生しました。1964年に江戸指物師の父、柾成に師事し、本格的に木工芸の道を歩み始めます。1970年には東京デザイナー学院の工芸・工業デザイン科を卒業し、その後、数々の伝統工芸展に出品し、数多くの賞を受賞しました。1981年には伝統工芸新作展で三越賞を受賞し、1989年からは日本工芸会の正会員にも認定されています。
彼は江戸指物の展覧会を数多く企画し、その技術を広める活動を続けています。さらに、2006年と2017年には宮内庁に作品が買い上げられるなど、その技術と感性は高く評価されています。
展覧会詳細
会場はセイコーハウスホール(東京都中央区銀座4-5-11 セイコーハウス 6階)。開催期間は9月26日から10月5日までで、営業時間は11:00から19:00まで(最終日は17:00まで)。入場料は無料となっており、休業日も設定されていません。木工の美しさと島崎氏の技術に触れる貴重な機会ですので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
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あらゆる世代の方々に楽しんでもらえるこの展覧会は、江戸指物の真髄を感じられる貴重な場となること間違いなしです。