多摩美術大学の新大学院「統合デザイン専攻」始動
2026年4月に新たに設立される多摩美術大学の大学院「統合デザイン専攻(SID)」は、上野毛キャンパスでスタートを切ります。本専攻は、海との関わりをテーマにしたデザイン教育を通じて、持続可能な社会の形成を目指しています。この新たな試みは、海洋環境と調和したデザインを学ぶための貴重な台座となるでしょう。
新大学院の開設に向けて、2025年度にはパイロットプロジェクトが実施される予定であり、特に注目すべきは「3710Lab(みなとラボ)」と連携した海洋環境デザインプロジェクトです。このプロジェクトは、日本財団の助成を受けており、海洋環境と人との新たな関係性を模索するものです。
プロジェクトの成果と『touch』
本プロジェクトでは、大規模なインスタレーション『touch』が制作され、約半年にわたる過程で学生たちは「海の授業」を受け、海と人々との関わりについての理解を深めました。『touch』は、波の動きをセンサーライトで視覚化することで、海と人の間に存在する空気感を表現しています。単純なデザインの枠を超えた、環境に配慮した新しい視点を養うことが重視されています。
この作品は、デザイン解決を超え、自然との共生を図るための実践的な研究モデルでもあります。学生たちは、従来の狭い視野を脱し、社会を美しく豊かにするための深い思考力と行動力を実体験を通じて身につけています。
みなとラボの役割
「みなとラボ」は、海の存在を日常の中で感じにくくなっている現代社会において、海とのつながりを育む場として設立されました。科学者やデザイナー、教育者が集まり、新しい学びのあり方を探求するプラットフォームとして機能しています。
同ラボでは、ワークショップや様々なイベントを開催するほか、ウェブミュージアム「海をつなぐミュージアム MOON」を通じて、幅広い世代が気軽に海について学ぶことができる工夫がされています。
海洋環境デザインプロジェクトの意義
このプロジェクトは、海と人間の調和のとれた関係を築くための手段として、デザインの力を活かしています。海洋環境の問題を解決するだけでなく、豊かな海の魅力を再認識し、次世代へと受け継いでいくことを目指しています。
SIDの開設と新棟の完成
新大学院の開設に合わせて、多摩美術大学では上野毛キャンパスに新しい本部棟と講堂を完成させました。このキャンパスは、新たな教育環境を提供し、地域社会とのつながりを深める場として機能していく予定です。内藤廣学長が設計したこの新棟は、SIDが掲げる「思索と実践」をダイナミックに推進させるための新たな拠点となっていくでしょう。
まとめ
多摩美術大学の「統合デザイン専攻」の設立は、海をテーマにしたデザイン教育の新しい可能性を切り開く重要なステップです。これによって、社会の持続可能な発展に寄与するための学びの場が提供されることが期待されます。海洋環境との関わりを深め、新しい時代にふさわしいデザインの力を育てるため、今後も注目が集まります。