環境に配慮した建設技術の新時代
近年、持続可能な社会の実現が世界的に求められており、特に建設業界ではカーボンニュートラルへの取り組みが急務です。そんな中、Hydrogen Technology株式会社が開発した「低排出水ガラス」を使用したジオポリマーコンクリート「セメノン®」が、新たな選択肢として注目を集めています。
 「セメノン®」の登場とは
「セメノン®」は、株式会社IKK、アドバンエンジ株式会社、株式会社IHI、横浜国立大学が共同で開発したジオポリマーコンクリートです。この材料は従来のポルトランドセメントを使用せず、代わりにフライアッシュや高炉スラグ微粉末といった産業副産物を原料にしています。これにより、高温焼成が不要となり、製造過程でのCO₂排出量を著しく削減します。
 環境負荷を軽減する取り組み
Hydrogen Technology社が提供する「低排出水ガラス」は、同社の水素製造プロセスから生まれる副産物であり、これをセメノンのアルカリ材料として活用することで、ジオポリマーコンクリートの環境性能をさらに向上させることが可能となりました。具体的には、従来の材料に比べ、最大約15%のCO₂排出削減を実現しています。
 建設業界における新しい潮流
「セメノン®」は、コンクリートが社会基盤に欠かせない素材である一方、その製造過程に伴う環境負荷が問題視されている中で、脱炭素化と資源循環の潮流にぴったり合致します。これにより2050年のカーボンニュートラルや水素社会の実現へ向けた重要なステップとなるのです。
 今後の展望
ジオポリマーコンクリートは、その環境への負荷を軽減できる次世代の材料として期待されています。今後も「セメノン®」をベースにした様々な技術革新が続く中で、持続可能な社会の実現を支える役割を果たしていくことでしょう。加えて、廃棄物の削減や資源の有効活用は、建設業界の新たなスタンダードとなることが期待されます。
環境に優しい建材の選択肢となる「セメノン®」は、私たちの未来の建設シーンを大きく変えていく可能性があると言えるのです。今後の展開に、一層の注目が集まります。