イトーキとカンディハウスが新しい家具を共同開発
日本のオフィス空間に新しい風を吹き込むべく、株式会社イトーキとカンディハウスは強力なタッグを組み、北海道の自然資源を最大限に利用した家具の共同開発をスタートしました。このプロジェクトは2024年から本格的に法人協業が開始され、北海道産材を活用した家具や空間提案が進められます。
地域資源の重要性と新たな価値創造
最近、オフィス環境はただの作業場から、働く人々の幸福感や満足度を高める場所として変化しています。この変化に伴い、企業は従業員の帰属意識を高めるためのシンボリックな空間やコミュニケーションの促進を図る設計が求められています。また、環境に配慮したESG経営や地域創生に対する関心も高まっており、地域材を用いたデザインが再評価されています。
イトーキはオフィス空間の設計・デザインに長けており、人間工学に基づいた製品開発を行っています。対するカンディハウスは、北海道産材を駆使した美しいデザインの家具で知られています。この両者が手を組むことで、職場環境に対する新しい価値の創造が期待されています。
特に美しい木目と温かみのある質感が特徴の北海道の広葉樹は、働く空間に安らぎを与え、企業のブランディングや従業員のウェルビーイング向上に浪漫をもたらします。
協業によるプロジェクトの一例
最初の共同プロジェクトとして選ばれたのは、北海道・旭川に拠点を持つ荒井建設株式会社のオフィス改修です。ここで、イトーキは全体の空間デザインや家具計画を担当し、カンディハウスの家具でその質を高めました。具体的には、打ち合わせのためのブースやハイテーブル、靴を脱いで過ごせる小上がりの空間、仮眠エリアなど多様なシーンを考慮した空間に仕上がりました。この取り組みは、荒井建設株式会社から「企業バリューの向上につながる」として高く評価されています。
2026年の製品化へ向けた取り組み
近年、ウッドショックによる輸入材価格の高騰や森林環境税などの影響で、国内材、特に地域材の利活用が急務とされています。このプロジェクトでは、カンディハウスの製造過程で生じる端材や未利用材を活用することで、「国産材回帰」と「サスティナブルな製品開発」の実現を目指しています。
イトーキのデザイナーや開発メンバーは、この取り組みに参加するため旭川を訪れ、実際の工場や木材加工の現場を見学。製造過程を学び、環境への配慮が求められる時代での木材の特性について議論を交わしました。その結果、いくつかの天板サンプルも用意され、次の製品開発に活かされることとなりました。目指すは2026年の特定のテーブルやデスクの製品化であり、そのための技術的な検証やデザイン調整が進められています。
今後の展望と成長目標
協業における今後の展望としては、北海道内のオフィスの新築やリニューアル案件を中心に、ロビーやエントランスなど企業の顔となる空間に北海道産材の家具を提案し、優れた空間を実現することを目指しています。さらに、イトーキの札幌ショールームやカンディハウスの直営店を活用し、より具体的な使用イメージを提案するためのプレゼンテーションを行い、プロジェクト受注の増加を狙います。
イトーキは年に4~5件のプロジェクト受注を目指しており、カンディハウスも法人取引の比率を25%まで引き上げる計画を立てています。今後さらに新しいオフィスアイテムの共同開発を進め、全国規模での提案を強化し、受注の拡大を目指していきます。
まとめ
イトーキとカンディハウスの共同プロジェクトは、地域資源を活かした新しいオフィス空間の創造を目指す重要な一歩です。心地よく快適な職場環境の構築を追求し、多くの企業にその恩恵をもたらすことが期待されます。これからの展開にも注目したいところです。