認定NPO法人フローレンスが新たな政策提言をスタート
認定NPO法人フローレンスが「Policy Fund」の「山本正喜ポリシー基金」に採択され、虐待の世代間連鎖を断ち切るための施策に本格的に取り組むことになりました。この基金は、政策提言を通じて社会に変革をもたらすことを目的に設立されており、フローレンスの活動が新しい局面を迎えています。
背景と現状
フローレンスは、これまでこども宅食や特別養子縁組など、多岐にわたる支援を行ってきました。その中で、虐待や不適切な養育を受けた親たちが、その経験を次の世代に引き継ぐ「虐待の世代間連鎖」という問題に直面していることに気が付きました。ACEサバイバーと呼ばれる人々は、多くの場合、育児のストレスや孤立感を抱えています。
実際に、虐待の経験を持つ親は、子どもへの虐待のリスクが高まるというデータもあります。これは、虐待が多くの社会的問題につながっていくことを示しており、フローレンスはこれを看過できません。声を上げられない多くの家庭に光を当てる必要があります。
提言の概要
今回の政策提言は、まず「知る」ことから始まります。親が虐待とは何か、そしてそれが子どもに与える影響について理解を深める講座の実施が求められています。同時に、ACEサバイバーである親に対して、オンラインによる相談支援を行い、その認知度を高める努力が必要です。特に妊婦健診時にスクリーニングを実施し、支援が必要な親を早期に特定することが重要とされています。
また、効果的なトラウマケアの普及が必要であり、そのための市民負担を軽減する施策が求められています。トラウマ治療に関する報酬を見直し、予算の確保が不可欠です。加えて、「社会的養護自立支援拠点事業」の改善を図ることによって、支援が届かないACEサバイバーを支える新たな体制を築くことも目指しています。
次なるステップ
フローレンスは、この提言を実現するために、さまざまな関係者と対話を重ねていくことを真剣に考えています。虐待の世代間連鎖という複雑な問題に取り組むためには、集団的な努力が必要です。声をあげられない人々を救うために、フローレンスは社会全体にこの問題に対する理解を促進していくことを約束します。
フローレンスの理念
認定NPO法人フローレンスは、未来を担う子どもたちを社会全体で育むための活動をしています。日本初の訪問型病児保育事業から始まり、こどもたちの権利を守るため、さまざまな施策を展開しています。フローレンスは、日本を変えるための重要な存在となりつつあり、虐待のない社会を実現するために、今後も力強く取り組んでいくことでしょう。