ダイセン、新型透析水処理装置を発表
ダイセル傘下のダイセン・メンブレン・システムズ(東京都港区)は、透析医療向けの新しい水処理システム「MOLSEP(モルセップ)FC-HE」シリーズを発表しました。この製品は、独自の新型膜と装置を一体化して設計されており、従来の機種に比べて約10%の小型化を実現しています。これにより、高水質が要求される透析医療での課題解決が期待されます。
透析医療の現状と課題
透析医療においては、高純度の水の供給が不可欠です。しかし、装置の設置スペースや運用コストは医療機関にとって大きな負担の一つとなっています。特に小さなクリニックでは、十分なスペースを確保するのが難しく、その結果として患者へのサービスに影響が及ぶこともあります。
コンパクトな設計と高回収率
新型「MOLSEP FC-HE」シリーズでは、高回収率の逆浸透(RO)モジュールが採用されています。装置自体は幅約50ミリ、奥行約70ミリとコンパクトに設計されており、限られたスペースでも設置が容易です。これにより、医療機関は設備の更新や増設に迅速に対応できるようになります。
販売戦略として、ダイセンは膜の開発から装置設計・製造までを一貫して行う体制を強化しました。通常、膜メーカーと装置メーカーが別々の事業として運営されることが多いですが、ダイセンは両者を統合することで、より高い性能を追求しました。これにより、高回収率75〜80%を維持するとともに、省エネルギーにも寄与しています。
医療現場を支える先進的機能
運用面でも周到な配慮が施されています。新型装置は遠隔監視機能を搭載し、保守ガイダンスもタッチパネルで行うことができます。このため、医療スタッフの点検・メンテナンスの負担を軽減し、スムーズな運用を実現します。また、オプションで超ろ過(UF)膜を使用することで、透析中のエンドトキシンの低減にも対応しています。
さらに、高回収率設計により水の使用量を抑え、電力や水道コストの削減にもつながります。洗浄時には流量を高めるブースト運転機能を採用し、通常は最小限の能力で運転することで機器の小型化にも寄与しました。
幅広い用途に対応
新型水処理装置は、病院や透析クリニックでの透析用水製造以外にも、医療機器メーカー向けのシステム用途でも活用されます。また、ダイセンは今後、コンパクト性とコストに優れた製品を一般産業向けの純水装置にも展開していく考えです。
医療分野の事業強化へ
2026年4月にはダイセルのライフサイエンス部門に加わり、医療分野での事業強化を進める同社。彼らは「人の命を護る」という理念のもと、安全な水供給を通じて医療の質向上に貢献していく考えです。
新製品は学会展示でも高い評価を受けており、「非常にコンパクト」「操作が分かりやすい」との声が寄せられました。医療機関の省スペースニーズが高まる中、ダイセンの新型透析水処理システムが広く導入されることが期待されています。