2025年5月版：国内ECサイトの速度ランキングと改善事例を分析

2025年5月版 ECサイト表示速度ランキング

デジタルビジネスを支援する株式会社ギャプライズは、2025年5月時点の国内ネット通販サイトの表示速度ランキングを発表しました。この調査結果は、業界全体のパフォーマンス向上の現状を示す指標となっています。

調査概要

この調査は、通販新聞社が発表した第83回通販・通教売上高ランキング上位300社のうち、月間トラフィックが10万以上の日本のECサイトを対象とし、Google社のChrome ユーザーエクスペリエンスレポートのデータを用いています。特に焦点を当てたのは、Largest Contentful Paint（LCP）という指標です。

LCPは、ウェブページの主なコンテンツが表示されるまでの時間を測定し、この数字が小さいほどユーザーが快適に体験できることを意味します。Googleの基準では、LCPが2.5秒以内であれば良好なユーザー体験とされ、4秒を超えると体験の質が低下すると評価されます。

トップ10サイトの達成

驚くべきは、2025年5月のランキングで上位10サイトすべてがLCPを1.1秒以下に抑えていることです。「あみあみオンラインショップ」や「タマゴ基地」、「資生堂パーラー」などの名だたるサイトが、この成果を収めています。

さらに、275サイトのうち約73.6%がLCPを2.5秒以下で達成。これは、業界内で表示速度の重要性が広く理解され、改善に向けた取り組みが進んでいることを示しています。

アマゾンのパフォーマンス向上

アマゾンもその例外ではなく、LCPの改善が際立っています。2月から5月までの間に、LCPは1.857秒から1.646秒にまで短縮されており、継続したパフォーマンスの最適化を進めています。これにより、業界最大手であっても表示速度の向上が不可欠であることが示されています。

その他の注目サイト

「ほぼ日刊イトイ新聞」と「蔦屋書店」の両サイトは、LCPにおいても大幅な改善が見られました。「ほぼ日刊イトイ新聞」は1.228秒から1.068秒へ、そして「蔦屋書店」は1.275秒から1.097秒へと短縮し、どちらも1.1秒の壁を突破しています。コンテンツとビジュアル要素が豊富なサイトでも、スピードの最適化が進んでいるのは注目に値します。

Core Web Vitalsの新指標

さらに、Core Web Vitalsの一部であるINP（Interaction to Next Paint）においても、特定のサイトが傑出したパフォーマンスを示しています。「タマゴ基地」は前月4位から首位に躍進し、常に高いパフォーマンスを維持しています。INPはユーザー操作に対するサイトの応答性を測る指標であり、その数値をLCPと共に分析することで、より良いサイトパフォーマンスが図れます。

総括

今回の調査からわかるのは、ECサイトの表示速度がますます重要視されているということです。企業が積極的に改善策を講じ、選択肢を増やすことが求められています。表示速度向上のための施策は、JavaScriptの最適化やイベントハンドリングの効率化、レンダリングパフォーマンスの向上など多岐に渡ります。

これらの取り組みを通じて、今後もECサイトの表示速度の改善は進むことでしょう。詳細データや改善事例については、当社メディアMarTechLabにて公開しておりますので、ぜひご覧ください。