ビック、1400万ドル調達とグローバル展開の加速
エンターテインメントテクノロジー企業「ビック(BIGC)」がこのたび、1400万ドル(約20億円)の資金を調達し、累計資金調達額は2400万ドル(約35億円)に達しました。これは、同社の「オールインワン・デジタルベニュー」プラットフォームの本格的なグローバル展開に向けた重要な一歩です。
ビックが提供するこのプラットフォームは、アーティストとそのファンを繋ぐもので、K-POPや他のカルチャーコンサートに特化しています。その特徴として、チケット販売、AIによるライブ配信、ファンとのインタラクション機能、動画配信、コマース、ファンデータ分析など、アーティストの収益化に向けた様々なサービスを一つのプラットフォームで提供。特に、AI技術を駆使した独自のライブ配信は、他にはない優位性を持っています。
サービス開始からわずか2年で、ビックは224の国と地域に進出し、会員数は110万人を突破。中でも80%は海外からのユーザーであり、日本や中華圏、北米などでの拡大が顕著です。今年に入ってからの成長率は驚異的で、会員数は前年同月比で13倍、売上は5倍に達したと報告されています。
先月、シリーズAラウンドに参加した投資家からは、ビックの成長について期待の声が寄せられています。リード投資家のSTONEBRIDGEのイ・ジョンヒョン常務は、ビックのプラットフォームがオンラインとオフラインの境界を越え、エンターテインメントの未来を切り拓くものと確信しています。
また、創業からの支援を行ってきたBonAngels Venture Partnersのイ・スホン氏も、ビックの短期間での驚異的な成長に注目しており、今後の世界市場での活躍に期待を寄せています。
さらに、Grand View Researchによる市場調査では、2020年に400億ドルだったグローバルライブ公演市場が2030年には1400億ドルに達すると予測されており、オンライン公演の比率も2024年の11.2%から2030年には35%まで拡大する見込みです。
ビックは、これまでオフライン中心であったエンタメ産業において、デジタルベニューを通じて革新をもたらす意気込みを示しています。代表のキム・ミヒ氏は、今回の資金調達を「アーティストとファンを繋ぐグローバル・エンターテックNo.1」実現に向けた出発点と位置付けており、K-POPを超えたファンダム体験の再定義に全力を尽くす考えを示しています。
今後のビックの展開から目が離せません。