JALが世界初のリブレット塗膜を施した国際線機材を導入

JALがリブレット塗膜を施した国際線機材を導入

日本航空（JAL）、宇宙航空研究開発機構（JAXA）、オーウエルの三者が協力し、画期的な航空機の導入が進んでいます。JALが世界で初めてボーイング787-9型機にリブレット形状塗膜を施し、そのまま国際線として運航することを決定しました。この画期的な取り組みは、航空機のエコ性能と効率性を飛躍的に向上させることが期待されています。

リブレット塗膜とは？

リブレット形状塗膜は、航空機の機体外板に微細な溝を形成することで、空気の流れをスムーズにし、飛行時の抵抗を減少させる技術です。この技術は、サメの肌の構造にヒントを得ており、その効果を最大限に引き出すためにオーウエルが開発したPaint-to-Paint Methodを使用しています。これにより、塗膜が軽量化され、耐久性も向上すると報告されています。

航空機の脱炭素化を推進

今回のプロジェクトでは、2022年から始まった国内線におけるリブレット形状塗膜の耐久性検証を経て、2023年11月からはさらに大面積の施工で燃費改善効果を確認しています。特に、国際線機材においては長距離飛行を通じて、さらなる燃費削減が期待されており、年間約119トンの燃料消費削減が見込まれています。これは、CO2排出量に換算すると約381トンの削減につながり、スギの木約27,000本分のCO2吸収量と同等の効果を持つと言われています。

これからの展望

JAL、JAXA、オーウエルは今後、リブレット形状塗膜のさらなる耐久性や美観性を検証しつつ、施工範囲の拡大にもチャレンジしていくことを明らかにしています。脱炭素化の目標を掲げ、持続可能な航空業界の実現に向けた取り組みが加速していくことでしょう。

航空業界におけるこの新たな試みは、環境問題への貢献だけでなく、乗客により快適でエコな空の旅を提供することを意味します。2025年1月中旬の就航が期待されるこの機材への注目は高まる一方です。結局、これが航空機運航の未来を切り拓く鍵になるのかもしれません。これからの航空業界の進化に目が離せません。