近年、小売業界ではOMO(Online Merges with Offline)の動きが注目されていますが、特にZ世代の消費行動はその変革の中心に位置しています。株式会社アイリッジが実施した調査によると、プッシュ通知に対する期待が世代ごとに異なることが明らかになりました。この調査は、15歳から69歳の4,016名を対象に行われ、特にプッシュ通知を受信している375名から得たデータをもとに分析されています。
調査結果の概要
調査結果の中で、全世代にわたり「クーポン一強」の構図が崩壊し、Z世代においてはクーポンの人気が大きく低下していることが確認されました。これまでは多くの消費者が割引を求めていたため、クーポンが最も期待されていた要素でしたが、特に10代から20代の若者にはそうした傾向が薄れています。 代わりに、ポイントキャンペーンやセール情報、そして店内イベントなど、コト消費に対する関心が高まっています。
また、30代以上の世代ではクーポンが依然として人気を保っており、特にドラッグストアでは6割がクーポン情報を受け取ることを望んでいます。これに対し、若い世代は体験を重視していることがはっきりと分かります。
体験価値を求めるZ世代
Z世代は、特に百貨店や商業施設のアプリでのプッシュ通知において「体験」に寄せる期待が強いことが示されています。彼らはクーポンよりも、館内イベントや特別なキャンペーンに興味を抱いているのです。この傾向は、百貨店や商業施設のアプリが過剰なプッシュ通知で負担と感じられている可能性もあり、アプリの内容見直しが求められています。
特に10代から30代の若者たちは、実店舗での体験を通じて新たな価値を見出そうとする傾向が強いようです。そうした中で、百貨店や商業施設アプリからのお知らせ内容の多様化に向けた工夫がすでに必要不可欠になっています。
プッシュ通知が招く意外な消費行動
調査では、プッシュ通知を受け取ることで約3割のZ世代が意外な行動を起こしたと報告されています。彼らは、セール対象ではない商品をネットやECサイトで購入する傾向が強く、実店舗だけではなくオンラインショッピングにも繋がっていることが分かります。
一方で、30代以上はプッシュ通知をきっかけに実店舗へ訪れ、対象商品を購入する割合が特に多く見られました。このように両世代では、プッシュ通知の影響が違った形で働いていることが明らかになっています。
これからの小売アプリに求められるもの
この調査結果は、長らく続いていたクーポン一強の時代が幕を閉じ、Z世代が体験価値や豊かな消費体験を求めるようになっていることを示唆しています。タイパ(タイムパフォーマンス)を重視し、不要な通知に敏感になっている生活者を意識しながら、アプリの活用を進化させる必要があると感じました。また、個々の消費者に合った体験を提供する努力も求められています。特にアイリッジの提供する「APPBOX」などの支援を活用し、プッシュ通知による最適な顧客コミュニケーションを模索することが重要です。
今後の小売業界においては、分かりやすく親しみやすいアプローチとともに、個々のニーズに応じた提案を実施していくことが顧客の期待に応えるカギとなるでしょう。顧客との距離を縮める動きは、これからの売上向上にも大きく貢献することが期待されます。