2025年問題が示す時代の変化と若者の将来展望

時を語る『セイコー時間白書2025』

2025年、人生100年時代が到来し、私たちの時間の使い方や意識は大きく変わろうとしています。セイコーグループ株式会社は、6月10日の「時の記念日」に合わせて、生活者の時間に対する意識を調査。今回は『セイコー時間白書2025』として、この変化に対する見解を発表しました。

高まるタイパ意識とAIの活用

調査の結果、特に10代の若者たちのタイムパフォーマンス（タイパ）意識が非常に高まっていることが分かりました。彼らの約70%が時間を効率的に使いたいと考え、さらにAIを活用したコミュニケーションの経験も豊富です。AIに愚痴や恋愛相談をすることが一般的になっており、これにより彼らは「幸福度」を感じると答えています。

各年代の時間観

調査からは、年代による時間の捉え方の変化も見て取れます。10代は明るい未来を期待し、「将来には楽観的」と回答。一方で、30代から50代は若干悲観的で、60代になると再び楽観的な視点が戻る傾向が見受けられました。このことから、老後についての見方や準備は年代ごとに異なり、特に中年層のストレスを軽減する必要があると言えるでしょう。

自分らしさの追求

現代では、個々が自分らしい人生を追求する傾向が強まっています。73.7%の人が「社会の規範に縛られる必要はない」と答え、ライフイベントに対してもより自分の意見や欲求を反映させることを望んでいます。また、自分の軸で生きていると自覚できている人は約59.0%にも上りますが、その一方で他人の人生が気になるというジレンマも抱えています。

AIがもたらす時間の価値

AIの技術革新が時間の価値を大きく変えています。64.0%の人が「時間に追われ」、56.9%が「1日24時間では足りない」と感じており、オフタイムの価値も高まっています。これは、忙しい日常の中で心の余裕が失われている証拠でもあります。多くの人が、「ばたばた」した生活を送り、「イライラ」や「ぼうっと」した心情に悩まされていることが明らかになりました。

結論

『セイコー時間白書2025』は、時間の捉え方がどれほど変わったのかを示す貴重な資料です。特に若者がAIと共存しながら、未来の時間を如何に有意義に使うことができるのか、その可能性は広がっています。時間の使い方が多様化し、結果として幸福度にも影響を与えることが期待されます。私たちはこれからの時代をどう過ごすべきか、改めて考える必要があります。